ろじうら小道

日々のつれづれ。

ガルムの話

×garm ○garum

 

rojiurakomichi.hatenablog.com

 

上の4コマの補足のようなお話を少々。

 

古代ローマの食卓で重宝されていた調味料・ガルムは魚醤の一種で、その発祥はギリシャの一地方だとされています。

素焼きの壺、甕に魚(のワタ)と塩水を容れて、時折攪拌しながら発酵させて作ったとか。

魚を原料にしているので、大豆から作った醤油に慣れ親しんでいる私たち日本人からすると、多少のクセは感じるかも知れません。とはいえ、魚醤仲間のしょっつるナンプラーが好きな人なら受け入れられる味なんじゃないかなぁ。たぶん。

 

 

日本食において醤油と酒、醤油とみりんやハチミツといった味付けが鉄板なのと同様に、ローマ人が残したレシピにもガルムとワインを合わせたり、ハチミツと一緒にガルムを使ったりという料理が載っています。

ガルム自体のグレードも高級な物から庶民用の物まで色々とあったようで、この辺りも日本の醤油事情と少し似ているかも。

(全く関係ないけど、私は最後まで新鮮タイプの醤油が出てからあれを手放せなくなりました)

 

で。そんな風にローマ人たちから愛されていたガルムなのですが、現代のヨーロッパにはその伝統が受け継がれていません。

なぜならローマ帝国の崩壊に伴ってガルムの製造は廃れ、その製法自体も失われてしまったからです(イタリア南部の魚醤「コラトゥーラ」はガルムを復元しようとして生まれたものだそうです)。

現代においてもガルムを復元してみようという試みは度々なされていますが、一度完璧に食文化の中から失われてしまった以上、完全再現はなかなか難しいと思います。

同時に、一度でいいから本物の味を確かめてみたい、とも思うのですが。

 

恐らくは同じように、ガルムを食してみたいと思う人も多いのでしょうか。

その名を冠した調味料、普通に売ってます。

 

モンテベッロ アッラ・ガルム プラボトル 300ml

モンテベッロ アッラ・ガルム プラボトル 300ml

 

 

しかもコレ再現しちゃったの日本です(探せばイタリア産のも見つかるはず)。加えて、amazonでのカテゴリーが「ナンプラー」っていうのが、何か……何とも言えない。まあ同じ魚醤だからね……。

 

前述のコラトゥーラも買えるっぽいです。

 

どちらも原料はカタクチイワシ

ちなみに、ナンプラーもカタクチイワシから作るのが主流らしいです。