ろじうら小道

日々のつれづれ。

初音ミクシンフォニー2020~ 5th Anniversary ~サントリーホール公演の感想とか

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サントリーホール入口

行ってきました、初音ミクシンフォニー2020・サントリーホール公演!

本当は5月に開催される予定でしたが、新型コロナ肺炎の感染拡大に伴い9月に延期、収容人数を半減しての開催になりました。

開催にあたって困難なことも沢山あったであろうことは想像に難くないですが、従来のミクシンフォニーとは異なるベクトルの本当に素晴らしい公演だったので、その感想をブログに残しておきたいと思います。

イベントはおろか、仕事以外でのお出かけ自体が半年以上ぶりだったけど、本当に参加出来て良かったです。

※セトリや公演内容についてガッツリ触れているので、横浜・大阪公演までネタバレNGな方はブラウザバックを推奨します(どこまで内容被っているかは不明だけど)。

 

 

▼去年の初音ミクシンフォニー(横浜公演)についてはこちら

rojiurakomichi.hatenablog.com

  

基本情報

初音ミクシンフォニー2020~ 5th Anniversary ~

場所:サントリーホール(大ホール)

日時:2020年9月21日(昼開演13:30~/夜開演18:00~)

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

指揮:栗田博文

MC:藤田咲

ゲスト:AUN Jクラシック・オーケストラ

(敬称略)

公式サイト

sp.wmg.jp

ざっくりまとめ(公演の特徴とか)

  • ミクシンフォニー初のサントリーホールでの開催
  • フルオーケストラによる生演奏
  • ボカロ勢の歌唱・スクリーン映像等なし
  • 司会:藤田咲
  • 和楽器AUN Jクラシック・オーケストラ)ゲスト参加
  • パイプオルガンがすごい
  • 古参大歓喜なセトリ

 

感想など

会場・座席について

サントリーホールは1986年、「世界一美しい響き」をコンセプトに東京初のクラシックコンサート専用ホールとして開館したそうですが、さすが専用ホールだけあって音の響きが素晴らしかったです。

従来の初音ミクシンフォニーはそもそも生音ではなかったので(大阪は生演奏だった気がしたけど参加したことないので分からず)比べる対象ではないかも知れませんが、もう本当に全っ然違った。

反響がすごいので開演前にパンフレットを開封する音とか足音とか、そういうちょっとした物音でさえ響いていました。

 

そして特筆すべきはステージ奥の正面2階部分の大きなパイプオルガン。

うちの母校にもパイプオルガンがあったので学生時代は毎日のようにその音を聞いていましたが、やっぱりプロが専用ホールで弾くとこんなに違うんだ、と圧倒されました。

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スペシャルシート限定グッズ

 演奏曲や全体の流れ等

※思いのまま書き散らしてるので長いです。とりあえずセトリ確認させろゴラァな人は一番下までスクロールするか目次から飛んでください。

一曲目の演奏は『未来序曲』。

初音ミクシンフォニー2017から参加した身としては、これぞミクシンフォニー!という気分になる一曲です。

そしてその『未来序曲』、一音目が鳴り出した瞬間にわかる。これまでの初音ミクシンフォニーとは全然違うということが。

これがクラシックの殿堂サントリーホール

これがガチオーケストラ。

なんか音がキラキラしてる。

おかげで開幕から泣いたし、次に続く『Tell Your World』、『メルティランドナイトメア』に関しても感動しっぱなしでした。

テルユアってこんな優しい音楽だったんだなと思ったし、ナイトメアも実は悪夢から目覚めて歩き出そうとする前向きな曲だったんじゃないかって、思わず錯覚しそうになったくらい。

そこからの!

パイプオルガン!

鳴り始めた時はリアルに「!?」となって、え、これ何の曲……⁈と思ってたら……『悪ノ娘』……!!!

悪の王国に暗雲立ち込めているような、物語の重厚な雰囲気が前面に出ていました。

やっぱり物語調の曲はオーケストラ合いますよね。『悪ノ娘』~『悪ノ召使』自体は過去のシンフォニーでも演奏された曲ですが、今回のパイプオルガン入りアレンジは本当に素晴らしかったと思います。

で。

そこまでの重苦しい雰囲気から一変、まさかまさかの『Alice in Musicland』ですよ!

大好きなこの曲が今回のミクシンフォニーで聴けるとは想像だにしていなかったので、藤田さんのMC中に曲名が告げられた時、思わず声を出しそうになって強く拳を握り込みました。

いや本当全編通して素晴らしくて、原曲のジャズ感も生かした編曲にしてもらってて、ミクさん達の歌声は入っていないのにそれぞれちゃんと「らしさ」があって、もう本当良かったです。ちゃんとエンドロール部分もやってくれたのもポイント高い。

『未来序曲』から『Alice in Musicland』まで全てが素晴らし過ぎて、前半終わって休憩時間になった時はしばらく放心してました。

 

そして、20分の休憩を挟んで後半戦へ。

事前情報で『紅一葉〜番凩〜千年の独奏歌』を演ることが分かってたので、何だったら一番楽しみにしてた和楽器コラボコーナー。

実際聴いてみての正直な感想としては、やっぱり異なるジャンル(?)とのコラボは難しいんだなと思いました。

コロナ禍で合同練習の機会を設けるのが大変だったであろうことは想像に難くないですし、オーケストラ対和楽器4人っていう人数比もちょっと良バランスとは言い難かったような気がします(座席が左ブロックのかなりステージに近い場所だったので、音のバランスに関しては位置次第かもしれませんが)。

オケ側も和楽器側もどこかコラボ相手に遠慮してる感じを受けたので、こういう状況下では別々にやった方が質を高められそうだなと思いました。

次曲の『Catch the Wave』が始まってからオーケストラが息を吹き返したような感じがあったので(音圧が全然違った)、コラボに関しては世の情勢が落ち着いてからでも良いのかな、というのが個人的な意見です。

さて、話を当日の流れに戻しまして、後半特筆すべきだったのは『カンタレラ〜サンドリヨン』だろうと思います。

去年も演った曲でじっくり演奏を堪能できたのが何より嬉しいですが、アレンジの仕方も全然違っていて、こちらも『悪ノ~』同様パイプオルガンを活かしたものすごく重厚な曲になっていました。

これは間違いなく劇薬……そしてこのサンドリヨンは迷いなく握り締めた刃衝き立ててくる……そんな感じ。

続く曲は『from Y to Y』。夜公演はここが『歌に形はないけれど』に変更だったようですが、どちらも優しい曲調の曲ですね。好き。

そして新アレンジでの『初音ミクの消失』。このアレンジがとても格好よくありつつ、原曲を大切にしてる感もあって良かったです。歌なしなのに最後の「深刻なエラーが……」まで再現されていました。

ミクシンフォニー最後の曲は今回のテーマ曲、ジミーサムPの『舞台』。

行きの電車で思い出して聞き直しといて良かったです。曲調がオーケストラによく合っていました。

そして……。

鳴りやまぬ拍手の中、栗田さん恒例のアレ、一度舞台袖に引っ込んでからの再登場を経て、アンコール開始。

一曲目は『ブラック★ロックシューター』。

まさかBRSが来ると思っていなかったので、最初「この曲絶対知ってるのに何だっけコレ」って考えていて、「きこーえーまーすーかー」の部分で「ブラックロックシューター!? マジか!!!?」ってなりました。Musiclandもそうだけど、この曲もサプライズ過ぎる。

続きまして『ハジメテノオト』。

昼公演のアンコールは懐メロ特集でしたね。古参大歓喜

悪ノ娘とカンタレラであれだけ重厚に荘厳に音響かせてたパイプオルガンが、この曲のイントロですごく優しい音色を奏で初めて、月並みだけどプロの演奏ってすごいんだなと思いました。音楽って偉大。

ここで終わりかなと思ったけど、本当のラストはMC挟んでからの『メルト』。

メルトにもオルガン使われてましたが、ちゃんとマッチしてて、そういう意味では今回のサントリーホール公演で一番印象深かったのはパイプオルガンかも知れないです。

今回は座席位置が1F左ブロックでしたが、別の位置からだとまた全然違って聴こえるんだろうなと思うと、何公演でも参加したいような気持になりますね。何気にP席は打楽器とパイプオルガンに挟まれてて迫力が凄そう。

 

--ということで、総括すると、

これこそまさしく自分が初音ミクシンフォニーに求めていたもの!

といった感じの公演でした。

是非とも来年以降もこの形式の公演を続けていって欲しい。

というかあのクオリティで映像化もCD化もしないなんて嘘ですよね⁈ ワンチャンあると信じて私はいつまでも待っています。

 何はともあれ、困難な状況の中でこのように素敵なコンサートを開いていただいたことについて、関係者の方々には最大限の感謝を。

(指揮者とコンマスが握手の代わりに肘を合わせていた(エルボー・バンプ)のが新鮮で微笑ましく、結構好きでした)

 

セットリスト

前半

  • 未来序曲
  • Tell Your World
  • [メルティランドナイトメア]or[ウミユリ海底譚~ヒビカセ~ゴーストルール]
  • 悪ノ娘悪ノ召使
  • Alice in Musicland

後半

  • 和楽器とオーケストラの共演(紅一葉~番凩~千年の独奏歌)
  • Catch the Wave
  • カンタレラ~サンドリヨン
  • [from Y to Y]or[歌に形はないけれど]
  • 初音ミクの消失
  • 舞台

アンコール