ジャンルとしてのハンドメイドの定義とは
「私の趣味はハンドメイドです」と言われたら、 どんなものを想像するかという話。
長くなってしまったので目次つけました。
handmade
ハンドメイドとは、言わずもがな「手作り」という意味の英単語です。
人の手によってモノを造り出すこと、あるいはその作られたモノそれ自体。
工業製品に対する手工芸品、と言い換えてもいい。
機械ではなく人の手によって生み出されたものであれば、家具だろうが食品だろうが、あらゆるものが「ハンドメイド品」といえます。
趣味=手作り?
昨今のハンドメイドブームの影響か、巷には「ハンドメイド」という言葉が溢れている。
SNSなんかでも、「趣味はハンドメイドです」「ハンドメイドやってます」といった感じの文章をプロフィール欄に載せている方をよく見かけます。
私も昔から何かを作ったりするのは好きな方で、当ブログにも主に製作物を載せるための「ハンドメイド」カテゴリーを設けていますから、そういった自己紹介の言葉を見聞きすると「お!」と思うわけですが……
それと同時に、
ハンドメイドって何さ?
という疑問も湧き上がってきたりします。
いや、ものづくりが好きなのは分かる。分かるんだけれども、「ハンドメイド=手作り」なのだとしたら、指し示している言葉の幅が広すぎて(内包している物が多すぎて)、「何を」作っている人なのかがよく分らないな、と思うわけです。
そして恐らくこの「幅」は人によって違うので、相手が想定しているハンドメイドのジャンルと、自分が思っているジャンルの間にズレがある場合がある。
少なくともこれだけの幅広さがあるということを示すために、ハンドメイドマーケット大手のminneとcreemaで取り扱われているハンドメイド品のカテゴリー一覧を示します。
世間でどんなものが「ハンドメイド品」として扱われているかの例として、参考までにご覧ください。
minneのカテゴリー一覧
- アクセサリー
- ファッション
- バッグ・財布・小物
- スマホケース・モバイルグッズ
- 家具・生活雑貨
- 文房具・ステーショナリー
- ニット・編み物
- 陶器・ガラス・食器
- アート・写真
- ベビー・キッズ
- ぬいぐるみ・人形
- おもちゃ
- ペットグッズ
- アロマ・キャンドル
- フラワー・ガーデン
- 素材・道具
- 食べ物
creemaのカテゴリー一覧
- アクセサリー・ジュエリー
- ファッション
- バッグ・リュック
- 財布・ケース・小物入れ
- iPhoneケース・スマホ・PC
- 家具
- インテリア雑貨・生活道具
- アート
- 食器・キッチン
- ぬいぐるみ・置物
- 雑貨・ステーショナリー
- ペットグッズ
- ベビー・キッズ
- ウェディング
- メンズ
- ハンドメイド素材
- フード
――ハンドメイドの範囲広すぎ! と思いませんでしたか?
私は思います。
上記2サイトはどちらもハンドメイド品を「売りたい人」と「買いたい人」が集まるマーケットサイトなので、通常趣味として語られる「ハンドメイド」よりは、かなり広範なカテゴリー設定になっているはずです(売り手としても買い手としても、売買可能な対象は多い方がいいから)。
ですが、それでも種類が多いのには違いありません。
結局ハンドメイドって何さ
これだけ多くのカテゴリーを内包している以上、「私の趣味はハンドメイドです」と言われて、相手が想像するジャンルは様々でしょう。
どれが一番ハンドメイドっぽいか(ハンドメイドという趣味ジャンルの看板に相応しいか)なんて、人によって違っていて当たり前です。
twitterやインスタグラムなどのSNSや趣味ブログを通じて知り合った仲なら、作品の写真や動画が投稿されているケースが多いので、それを見れば「ああ、この人は○○を作っている人なんだな」というのが分かりますが、リアルの場合はそれも叶わないので、素直に「どんなものを作っているんですか?」と聞くしかない。
でもそれは、はっきり言って二度手間です。
「ハンドメイド」と聞いてある程度ピンとくる人ならまだしも、関心が薄くて想像がつかないような人の場合だと、興味もないのにその質問をするのは苦痛でしょうし、逆に説明する側としても「どう言えば伝わるかな……」と言葉を選ぶのに苦慮するかも知れません。
だから本当は、ハンドメイドという言葉を使わずに、「趣味は手芸です」とか「茶碗を作っています」とか言った方が親切だと思うんです。
工芸でも、日曜大工でも、作るものは何でも構わないけど、「自分はこれを作るのが好きなんです」と言い切ってしまった方がいい。
ただ、この言い切ることが難しい場合もあります。
別に怪しいものを作っているとかいうわけではなくて、
例えば扱っているものがマイナーで一言では人に伝えにくいものを作っているとか、
幅広いジャンルを扱っているので一つのカテゴリーに絞って答えられないとか、
そんな様々な理由で自分の趣味はコレだ!と言い切ることが出来ない、というケースが存在するのも確かで、そういった時に「ハンドメイド」という言葉は至極便利だったりします。
私は主にレジン、プラバン、樹脂粘土を使って小物を作るのが好きですが、「レジン(樹脂)」という言葉が伝わらなかったり、この3つを全部言うのは冗長だしまとめようと思った時に「手芸」と言うべきなのか「工芸」と言うべきなのかが分からず言葉に詰まったり……まぁ色々あったので、リアルでの会話の場合、最近は一番伝わりやすい「アクセサリー作り」と言うことにしています。
私が思うハンドメイドの境界
最後に、私が「ハンドメイド」と言われた時に思い浮かべるジャンルですが、大まかに言うと「手工芸品」です。
刺繍や編み物、洋裁、和裁etc.の布系ジャンルから、ビーズ、プラバン、レジン、ミニチュア、陶芸、ガラス工芸、木工品などでしょうか。
大きめの家具はどちらかと言うと日曜大工とかDIYと言ってもらった方が想像つきやすいです。
手作りの料理は大好きですが、趣味として語るなら「料理」と言って欲しい。
絵やイラストなどもデジタル・アナログの如何に関わらず、「ハンドメイド」という言葉では想像しにくいです。
これらはあくまで私の中でのハンドメイドの境界の話なので、他の人に聞いたら別の答えが返って来ることでしょう。
結局何が言いたいかというと、そういう認識の「ズレ」がある可能性を考えて、分かりやすく人に伝えたいよねという話です。
この「分かりやすく」が一番難しいのだけれども。