オリ博『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』感想とか
古代オリエント博物館で開催中の夏の特別展(2019)、『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』へ行ってきました。
今年の3月にナイト講座(月一ペースで金曜の夜に行われている講座)を受講して以来なので、約4ヶ月ぶりのオリ博です。
夏の特別展『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』雑感
常設展のみの時は人もまばらなんですが、ギルガメシュ人気の賜物か、夏休みが始まっているせいなのか、はたまた偶々訪れたのが水曜日のレディースデーだったからなのかは分からないけど、そこそこ来館者が多かったです。メモ取ったりするのも多少周りに気を使わないと順路妨害になるかな、というくらい。
とはいえ展示物の前が混雑して全然前に進めない!みたいな感じでは無いので、適当にささっと見ていく感じだと、全部見てもそんなに時間はかからないと思います。円筒印章とかトークンとか非常に小型の展示物が多いので、視力に自信のない方は眼鏡持ってった方がいいかも知れない。
円筒印章は当時、コロコロスタンプの要領で粘土に絵や模様を付けるために使われていたものです。封泥といって、物品や文書を輸送する際、途中で不正に開けられたりしていないことを証明するための粘土の上に押されたりします。今でいうシーリングスタンプ的なもの。蝋の代わりに泥が用いられてたわけです。よくまぁこんなに小さな土台にこれだけ細かい模様を刻み込めるものだと感嘆します。
この分野において円筒やスタンプ型の印章(ハンコ)はある意味「ポピュラー」なもので、古代メソポタミア関連の書籍とか展示に触れていると目にする機会も多いのですが、今回の特別展でも前半部分のかなりのスペースを使って様々な印章が展示されていました。
個人的には、今まであまり見たことのなかった様々な種類のトークンを見る事が出来たのが面白かったです。
トークンはまだ文字の無かった時代に数量の管理をするために使用されていた(であろう)ビー玉大の小さな陶器で、楔形文字誕生のきっかけや前身になったとも言われているものです。封球(ブッラ)という中空の粘土の球の中に入れて、納品管理なんかにも使われていたそうな。
時にアクセサリー代わりにになったりもする印章や護符と比べると、実用性一辺倒な感じのトークンはどれもかなり地味ですが、素焼きのころんとした素朴な見た目が可愛いらしい。衣服や魚、壺型のトークンなんかは、色を付ければ博多のおはじきみたいになりそうだなーとか考えてました。同じ粘土製だし。
特別展タイトルに「古代オリエントの英雄たち」と入っているためか、後半にはギリシャ神話の英雄ヘラクレスや、ヘレニズム文化発展の礎となったアレクサンドロス大王にまつわる展示もありました。
ギルガメシュとエンキドゥのような「英雄の友情」に関連する話として、ギリシャの叙事詩『イリアス』内でアキレスが友の仇を討ったエピソードが説明文にちらっと書かれていましたが、アキレスの場合友人が死んだのはお前自身のせいだろー!(「仇」であるヘクトルの方が好きな人)と心の中でツッコミをいれつつ……いや、エンキドゥの方も間接的に死の原因を作ったのはギルガメシュと言えるか……なんてことを考えながら見るのが楽しかったです。
特別展内はダメですが、コレクション展(常設展)は写真撮影OK。せっかくなので大好きなコブ牛型土器を撮ってきました。いつ見ても癒されるフォルム。
基本情報
会期/時間: 2019年7月13日(土)〜9月23日(月・祝)/10:00~17:00
場所:池袋サンシャインシティ文化会館7階 古代オリエント博物館
料金:一般 800円、大高生 600円、中小生300円
公式サイト:http://aom-tokyo.com/index.html
サンシャインの中でも一番奥にあるエレベーターに乗って7階に行くんですが、少し分かり辛い場所にあるので初めて行く方はご注意を。
それから、同サンシャインシティにて8月10日(土)~8月25日(日)の間に「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-展 Road to Uruk」が開催されるらしく、その期間は混雑が予想されるため、チケット販売場所が変更されるみたいです。お盆休みに行こうと計画されている方などは公式サイトで調べてから向かうといいかも。
余談:FGO人気にビビった話
私は今までFateシリーズに触れずに来たので、サンシャイン内に貼られていた上記FGOの企画展ポスターでほぼ初めて同作品に登場するギルガメシュ像を見たんですが、すごいイケメンで上から目線ぽいのは「らしい」なぁと思いました。
でもそうかぁ、金髪なのかぁ……。
いやそんな感想はどうでも良いのですが。7月のナイト講座が特別展と連動する内容だったので先月申し込みをしていたんですが、見事に満席で受講不可になりましてね。本当はナイト講座のある日に特別展見に行こうと思ってたものの、それが叶わなかったので別日に訪れることにしました。ギル様人気を侮ってましたすみません。
もちろんFateから流れて来た人ばかりなわけないんですが、思えば3月のナイト講座(題目は「イシュタル女神とギルガメシュのものがたり」)も若い女性とか結構いたなー、と。入口が何だろうと真摯に好きになって学ぼうとするのは良いことだと思うので、つまり何が言いたいかというと、次があったら自分も出遅れないように申し込みをしようと心に決めた話です。
それと、特別展関連企画として今月リリースされたオーディオブック『朗読 ギルガメシュ叙事詩』買ったんですが、この朗読を担当している関智一氏はオリ博常設展の音声ガイドを務めているだけでなく、Fateでギルガメシュを演じていると知って、めちゃくちゃ狙ったキャスティングだなーと。
書きたいこと書き散らしてたら思いのほか長くなってしまったので、このCDについては別記事に感想書く……予定です。まだちゃんと聞けてないけど。