最終無料アプデで追加された台詞が色々と泣かせてくる【ドラクエビルダーズ2】
例の映画を見た後は私の中の破壊神が「もう何もかもが いけすかない」状態でしたが、待ちに待ってたDQB2の最終アップデートが来たので早速からっぽ島に舞い戻ってきました。
セーブデータやかいたく島の複数所持などのシステム面での強化に加えて、ようやく彼らに会えるということで楽しみにしてた……!
追加されたエピローグの解放条件が色々終わらせてること前提なので、ネタバレNGな方は先に本編クリアされることをオススメします。レッツ・ビルド!
▼前回のDQB2記事はこちら▼
システム面に関するアプデ内容
大きいのはやはり「セーブデータ数」と「かいたく島」の複数所持が可能になったことでしょうね。どちらも最大3つまで持てるようになりました。
その他の変更点としては、
- 髪型の追加(既存NPC用髪型が使えるように。男女共有)
- クリア後に「勇者のはた」使用時、兵士以外のNPCも召集可能に
- 植物の自生設定(ON/OFF)切替(自然物に限る)
- 天候を変更できるアイテム「○○のカード」5種類を追加
- ビルダーアイのカーソル速度を調節可能に
- 島にある部屋数の確認が可能に
- 椅子などのアイテム設置時に向きを表す矢印の表示追加
- ビルダーハートでレシピをひらめく際の演出の速さを調整
などのようですが、個人的に最も嬉しかったのはセーブ上限以外だと部屋数が確認できるようになったことですね。1つの島の中で100までと言われても、今いくつなのさ?という状態が続いてたので。ポーズ画面でビルダーハートや小さなメダルの下に、90/100みたいな感じで表示されるようになりました。
その他試してみたこと。
勇者のはたを試しに振ってみたら、開拓地中の面々が集まってきたので(魔物・動物含む)、適用範囲は各開拓地ごとのようですね。
逆に天候は開拓地ごとではなく、島全土に適用されるようです。
あおの開拓地で雪のカードを使ってみましたが、あかの開拓地に移動しても降り続けています。
シナリオ面に関するアプデ内容
もちろん「彼ら」にまつわるエピローグ追加が最大の追加内容になりますが、それは各々確認していただくとして、個人的に推したいポイントは以下の通りです。
- こんぶ
- あの子に理性が……!
- ジゴックさんと弟子と孫弟子
特にジゴックさんに関してはモンゾーラでチャコさんとのイベント会話が追加されるなど、胸にくるようなセリフが増し増し。
ストーリー中に亡くなったキャラのことも皆がちゃんと覚えていて、思い出を大切にしながら生活してるんだなってのが垣間見えるのは良いですね。マギールちゃんだけでなくリック周りのセリフも増えてたし。
ところで監獄組にはのびのび生活して欲しいなーと思ってとりあえずみどりの開拓地に来てもらいましたが、ムーンブルク勢にまつわる台詞が多いので青の方がいいのか悩んでます。……でもなんか切なさを感じるから今のままでも良いかな。
現在の開拓状況
セーブデータ数が増えたのでぼちぼち2周目始めようと思ってますが、折角なのでその前に現行データの写真を何枚かブログに残しとこうと思います。
からっぽ島のお気に入りポイントから。
みどりの開拓地にある和風エリア。山の中腹には温泉、山頂には神社があります。
同じくみどりの開拓地にある、手前が図書館で奥の建物がパン屋さん。
あおの開拓地にも王立(という設定の)図書館を作っていましたが、なんか本棚並べるのが楽しくてつい緑の方にも作ってしまいました。
かいたく島は最初の島もまだそこまで作り込めてないので、2つ目3つ目に着手出来るかも怪しいんですが……。
最初の島ではドラクエVの村再現なんかをしてました。
本当は完全にSFC版で再現したかったけど、屋根とか2Fとかが難しくて補完にDS版を使ったサンタローズ 。
パパスさん家の地下からトロッコで妖精の村に行ける作りにしたので、迷いの森は作れなかった。
そしてポワン様の城の内部と、村の横に建築中のすごろく場の構成に悩みまくり、一旦放棄してストーリー島の復興に向かった結果が下の写真です。
モンゾーラの緑好きリリパットの所。
一応元々建物があったらしい場所に教会、空き家、武器・防具屋、ふくびき所を建てた後で、原作ドラクエⅡのムーンペタにあった宿屋を加えました。
何気に復興楽しいんですよね。一から自分で考えるわけじゃないから気楽にできるし。強制されてるわけでもないから自分で満足出来た所で終わればいいし。
煮詰まった時の息抜きにちょうどいい感じです。
ところでこれ書いてる途中でドラクエ11Sの体験版ダウンロードも終わったので、ちょっくらプレイしてこようと思います。
11S製品版は来月末の発売なので、それまでにDQB2の方ももう一周出来るといいな。しばらくビルダーと勇者の両立で忙しくなりそうです。楽しみ!
それでは、皆様よきドラクエライフをお過ごしください。
アンナミラーズで「レモンメレンゲ」が復刻してたので即買いしました
レモンメレンゲパイというお菓子が好きです。
パイ生地にレモンカードを流し込み、その上にたっぷりのメレンゲを乗せて焼いた、程よい酸味のスイーツ。
好きなんですが、王道のリンゴやベリー類のパイなんかと比べると、お店での遭遇率が非常に低いんですよ……。
たまーに見つけると嬉しくなって即買いするんですが、大抵の場合季節限定とか曜日限定とかになっていて、次に行ったときにはもう買えなかったーーみたいなことが何度もありました。
で、今年の夏もまた出会えないまま終わりそうだなーと思っていたら、先日たまたま訪れたアンナミラーズで売られているのを発見しました。
アンミラの日本上陸46周年記念ということで、過去に販売していたパイのリバイバルらしいです。店員さんに聞いたら、一応8月いっぱいの販売を予定してますとのこと。もっと早くに気づけば良かった!
ちなみにアンミラのダッチアップル(アップルパイ)については過去記事に書いてます。こっちも美味しい。
アンナミラーズのレモンメレンゲ
1ピース460円。46周年にかけた値段設定になっていました。
通常販売(※季節による)されている『レモン』が1ピース600円なことを思うと、非常に良心的な価格設定です。『レモンメレンゲ』の上部がメレンゲなのに対し、『レモン』の方はクリームが盛られています。
『レモン』の方も気になりますが(食べたことない)、今回のチョイスはもちろん『レモンメレンゲ』!
上の写真を見ていただくと分かる通り、見た目はすごく地味です。崩れないように銀紙とプラ容器で保護されていましたが、そのままだと食べ辛いので外しました。
メレンゲ部分は結構かさがあるように見えますが、ふわほわ食感で柔らかな甘み。これぞレモンメレンゲパイの醍醐味って感じ。
レモンのフィリング部分にカスタードっぽさはなく、すごくプルプルしていました。この部分だけ単体で食べると奥に若干海藻のような香りが感じられたので、固める時に寒天とかアガ―的なものを使ってるのかな。酸味もしっかり感じるので、レモンの爽やかさをちゃんと味わうことができます。メレンゲと一緒に食べると甘酸っぱさのバランスがとれて丁度いい。
アメリカンなお店だけあって、今まで食べた中(自作含む)では比較的味がしっかりハッキリしたタイプのレモンメレンゲパイでした。ぜひ来年の47周年の際にも復刻して欲しいです。
……さて、8月中にもう一度買いに行けるだろうか。行きたいなー。
お店の基本情報
住 所:東京都港区高輪4-10-18 京急ショッピングセンター[ウィング高輪west]2階
T E L:03-3443-3385
営業時間:年中無休、8:00~23:00(ラストオーダー22:20)、全席禁煙
JR品川駅高輪口から出て、目の前の横断歩道を渡った先の建物です。
公式サイト
https://www.annamillersrestaurant.jp/
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観てきてしまった【ネタバレ有】
観てきました、映画『ドラゴンクエストユア・ストーリー』。
鑑賞前はブログにネタバレなしの軽いレビュー記事でも上げようかなと思ってたんですが、これは感想書くにあたってネタバレなしとか到底無理!
と言うわけでがっつりネタバレしてるので、これから観る予定の方は注意してください。まぁ正直、ドラクエ愛やゲーム愛の強い方には、映画もこの記事も見るのをオススメしませんが……。
以下、注意点です。
・核心部分のネタバレあり(観てること前提に書いてます)
・相当辛口です(ほぼラストに対して)
・原作ドラクエV好きによる完全なる主観記事(故に恐らく公平性、客観性を欠いてる)
・長文(8000文字超)
この映画を観て楽しめた人に対してまで水を差す気はないので、もしそういう方が居たらこの辺りでお帰りいただいた方がいいと思います。
一晩寝かせて感情的に書きすぎた部分バッサリ削ったけど、酷評していることに変わりはないので……。
そして無駄に長くなってしまったので、お急ぎの方は下の目次から最後のまとめまで飛んでもらえればと思います。
鳥山絵じゃないとか、原作端折り&改変しすぎとか、本職の声優少な過ぎとか、そんなことはもはや些細なことだと感じます(娘の存在消されたのは割とショックだったけど)。
巷で散々言われているように、やはり問題はラストの展開でした。
鑑賞後の感想としては、例えるなら「チケット買って某夢の国に遊びに来たのに、帰り際唐突に政見放送を流されてそのまま閉園になった感じ」。せっかく魔法にかかりに来たのに最悪な形で現実に引き戻されて興醒めしたというか。
ラストの急展開っぷりには「は?????」という気持ちしか湧いてこなかったです。
- 『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観て感じたこと
- 大切なのはリスペクト
- ラストだけで映画の出来を決めるべきではない……か?
- だけど一応、脚本以外の評価点についても触れておく
- 肯定的に捉えた場合
- まとめ
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観て感じたこと
私は映画に詳しいわけではありません。あくまで一ドラクエファンとしてこの感想を書いています。
ドラゴンクエストVという作品。
私にとって生まれて初めてプレイしたテレビゲームです。以後SFCのアダプタが壊れるまで何度も繰り返しその物語に浸り、DS、PS2で出たリメイク版も全て遊んできました。今でも「時折読み返したくなる小説」のような存在です。
幼稚園時代、この作品のおかげで字を覚え、東西南北の概念を学び、RPGとは、仲間とはどういうものかを知りました。そういう意味で、私にとってはドラクエの中でも他のナンバリング作品(X以外は既プレイ)とは違う、唯一無二の存在になっています。懐古厨と言われようが、自分が一番初めに触れたドラクエが一番好きなんだ。
その時点で、「私にとっては」どんなメディアミックスがされようと原作を超えることは不可能なわけですが、それでも新しい媒体での露出によって新規にドラクエVを好きになってくれる人が増えるのはファンとして喜ばしいことだし、何より「見もせずに批判するのはいただけない」という気持ちもあって、劇場に足を運んだわけです。
なるべくフラットな状態で観たかったので、予告動画等の公式情報以外は遮断し、世間の評判とかも見ずに出かけたんですが、過去に戻れるなら全力であの時の自分を止めたい。
原作モノは実写化でも何でも大抵の場合(観客の原作への思い入れが強ければ特に)コレジャナイ作品が出来上がってくる、それはその手の作品の宿命だと思っているので、その辺りの覚悟はしていました。
V本編のストーリーを100分かそこらでまとめきるのは初めから無理があるので、相当削られた部分があるはず。そうなると前後の整合性をとるために色々と設定が弄られてる可能性もあるけど、最悪、改変の仕方が肌に合わなくても「ドラクエ音楽が楽しめれば良いやー」位までハードルを下げて行ったんです。
実際には、そのフィールドでハードル走なんて行われていなかったのだけれど。
私は勘違いをしていました。
『ドラゴンクエストユア・ストーリー』という映画が、ゲーム「ドラゴンクエストV本編のストーリーを映画化したもの」であると。ドラクエVの世界を表現しようとして作られた映画なのだと。
映画のあらすじや予告動画の内容から、そうに違いないと思い込み、それを期待していました。
でも違った。
どんなにツギハギだらけだったとしても「ドラクエ映画」であることを望んでいたのに、その100分はほぼ丸々「他人のドラクエプレイ動画を知らずに見せられていた」状態だった。
それなら「そういう映画」であることを最初に明示してくれていれば、また違った心持ちで鑑賞出来たはずなのに。
断っておきたいのは、私は別に批判がしたくて映画を観に行ったわけではない、ということです。上映前は、観るからには楽しみたいけど、ガッカリ作品だったらそれはそれで思い出になるよね、くらいの心持ちでした。
「何であのシーンを飛ばしちゃうかなー」「そのセリフ改変はちょっと……」みたいな愚痴を言いたくなったとしても、ドラクエの世界に浸れる100分であって欲しかった。たとえ絶賛出来なくても、「それでもココは良かった」と良い所を見つけて「ドラクエ映画」として評価--したかった。本当は。
観終わった今となっては、そんな気持ちには到底なれそうもないです。
ガッカリ?
いや、
意味が分からない、というのが本音です。
ラストにあのオチを持ってくる意味が分からない。
ああいう展開にする事で誰がどんな風に得をするの?
商業作品である以上、ある程度観客のニーズを汲んで作るべきなのでは?
映画化するにあたって、予算や尺の都合、技術的な問題等々で視聴者の期待していたものとズレが生まれるのは仕方ない。それでも最低限、その期待に近づける努力はするべきだと思う。
それとも、アレが観客の望んだ形だとでも?
は?????
率直に言って、やってはいけないことをやってくれちゃったな、と思った。
自分の主義主張を展開し、独自のカラーを出したいのであれば、完全なオリジナル作品の中でやればいいと思う。
例えばエヴァのように、監督がオリジナル作品の中で自らセカイの破壊を試みたのなら、それは別に構わない。
しかし、わざわざドラゴンクエストというコンテンツを犠牲にして、それをやる必要性がどこにあるというのでしょうか。原作側の人間はよくこれでOK出せたな?
あんな奇をてらったラストにしなくても、ゲマを倒してハイちゃんちゃん、という終わり方にしておけば、作品全体の評価としては凡作〜佳作の間には入れたと思うのに。
CGは頑張ってたし、戦闘シーンは良く出来てた。
私は元々生粋のビアンカ派だけど、映画版のフローラはとても魅力的に描かれていたと思う。途中までの流れだったら、フローラルートでもそんなに違和感なかったんじゃないかな。悪名高きいたストのフローラが黒なら、こちらは真っ白で可愛かった。
それも全て虚構だけど。
製作陣は、自らのそれまでの努力を水泡に帰すようなシナリオで、虚しくならないんだろうか。
創作している人間が、創作物(フィクション)を馬鹿にして、悲しくならないんだろうか。
ゲームに限らず、映画も、漫画も、文学も、全てのフィクション作品は虚構で成り立っていて、受け手はそれを十二分に分かった上で世界観に浸っている。その虚構を楽しんでいる。ドラクエのようなファンタジー作品は特にそれが顕著で、現実とは違うその世界を、違うと分かっていて尚愛している人が沢山いるわけですよね。
それなのに作り手側の人間がなぜあえてそれを否定し、冷水を浴びせる必要があるのか、私にはそれが分かりませんでした。
例えばですが、
某夢の国で○ッキーに会えて喜んでる人に対して「いい歳して恥ずかしくないの?ガキかよ」とか言っちゃう人は「大人」ですか?
私の目には、空気の読めない未成熟な人間に映ります。別に相手をガキだと思うのならそれでもいい。でもそれをわざわざ本人の目の前で喧伝する必要がありますか?
他人の趣味嗜好を貶めてマウントを取るなんて、いい大人がすべきことではない。ましてや、夢を提供する側の人間が、他人の夢を否定するなんていうのは全くもってナンセンスだと思います。
大切なのはリスペクト
この映画には、根本的に他者への敬意が欠如していると感じられる点が散見されました。
あらゆる創作物は、元になった/着想を得たものがある場合、その原典に対する十分な理解と敬意を持って形作られるべきだと思います。たとえどんなに優れた技術が用いられたものだとしても、元ネタに対するリスペクトが感じられないのであれば、私は受け入れられない。
逆にクオリティが低い作品であっても、そこに愛が詰まっていると分かるものなら、寄り添って応援したいと思うでしょう。
ユア・ストーリーがどうかといえば、少なくとも私は原作へのリスペクトを感じられませんでした。それはストーリーの端折り方とか改変の仕方とか、解釈の違いで片付けられる問題のせいではなくて、やはり「ゲームの世界は嘘の世界」と切って捨てたその一点によってです。
解釈の違いどころか、解釈しようともしなかったんだな。
端から「ドラクエVの映画」を作る気なんて無かったんだな。
監督や脚本家にとって、あの世界は、キャラクター達は、敬愛すべき原点ではなく、単なる素材に過ぎなかったんだな。
そう感じました。
観客であるファンに対してもそうです。
喜ばそうと思うなら、あんな騙し討ちみたいな形でネタばらしする必要性がない。サプライズプレゼントというのは相手を喜ばすためにするものであって、驚かせるためにすることではない。
ただ驚かせるためだけに用意されたギミックを押し付けられても、こちらとしては呆然とする他ないんだ。
譲れない拘りとしてVRネタを使いたいのなら、ラストのどんでん返しではなく、端からそれを明示しておけば「そういう話」として別の視点から楽しめたかも知れないと思います。
あらすじでも予告動画でも「ドラクエVのストーリーを映画化」したと見せかけて、それを期待して行った観客を集めて、いざ最終盤で全部VRの世界でしたーなんて興を削ぐ仕打ち、あんまりじゃないですか。
これは大衆向けの娯楽映画なわけです。最後にカタルシスを得るためのミスリードなら良い。でも今回ユア・ストーリーがやったのはそうではなく、裏切り行為と受け取られても仕方ないことだと思います。
ちゃぶ台を返したいから返した、じゃ納得なんてできるわけがない。
記録映画ではなく、虚飾に満ちた娯楽作品を制作・提供している立場の人が、その娯楽を楽しみに来ている観客を前にして「作りモンにマジになってないで、いい加減大人になれ」なんて、盛大なブーメランを投げる意味がある?わざわざ、あの最終局面で⁇
やっぱり意味が分からないよ。
そして、小説版主人公の名前無断使用問題。
映画製作者サイドにもっと他の創作者に対する敬意があれば、不要な争いを生まずに済んだのではと思えてなりません。
ラストだけで映画の出来を決めるべきではない……か?
ラストのやらかしだけで全体の評価を決めるな、という意見も分かるんですよ。それが単に物語の「結末だけ」切り離して見れるような要素なら。どんなにご都合主義的展開でも、整合性が取れていなくても、伏線が回収し切れなくても、例えそれが目を覆いたくなるようなバッドエンドであったとしても。
物語の結末「それだけ」が気に入らないで済む話だったなら、「ラストだけで全体を語るな」という言い分は、なるほどごもっともだと思います。
でもね、違うんだ。
あのラストは、それまでの1時間何十分かで語られた物語全てを飲み込み、その全てを無に帰してしまったんです。
そこに至るまでの過程について評価したくても、あのオチが付いてしまったら、過程が全て無かったことになってしまう。
美しい景色も、魅力的なキャラクターも、手に汗握るアクションシーンも、全て「虚構である」ということを示すためだけに用意された素材だったのだから。
整合性という観点から言えば、VRオチは作中で感じた様々な違和感について半ば無理やりにでも辻褄を合わせることのできる、完璧な道具だったでしょう。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたにしてはやけに軽く感じる主人公の性格・言動も、
息子への接し方(親として心配しているような素ぶりがない)も、
唐突に繰り返された「クエスト」という用語も、
「じこあんじ」も、
冒頭のダイジェストも、
故意に用意されたor用意されていたわけではない大小様々な違和感を、全て消化してしまえる「だってVRゲームの中だから」というオチ。
曲がりなりにも感情移入してドラクエVの世界を冒険している気になっていたら、唐突に「他人のプレイ動画を見せられていた」ことが明かされるオチ。
Your story だと思ってたのにhis storyだったというオチ。
……そして更に最悪なのは、ネタばらしの後にとって付けたようなハッピーエンド紛いのエンディングをくっ付けられたことだった。
あのエンディングで救われたとか、納得出来たという人に対しては、純粋に羨ましく思います。そういう寛大な心で映画を楽しめたら、どんなにか良かっただろう。
残念ながら私はその境地に達せなかったので、ミルドラース(ウイルス)に向かって叫ぶリュカ(を操作してる人)の台詞に辟易し、アンチウイルスの設定には一周回って笑うことしか出来ないまま、スクリーン上では「彼の戦い」が幕を閉じていました。
そして先程までと寸分違わぬ優しい眼差しで微笑みかけてくれる妻と息子。こちらはもう、先刻と同じように彼らを見ることは出来ないのに。
何これ拷問かよ。
Continue your adventure じゃないよ。どうしてくれるんだ、この気持ちを。
個人的には、インパクトのある「大人になれよ」という台詞よりも、その後の無理やりな展開の方が見ていてイライラしました。
散々煽っておいて、「でもお前らどうせこういうのが好きなんだろ?ほら、ハッピーエンド(笑)にしてやるよ、感動しろよ」と言って再び偽りの夢の中に放り込まれ、逃げられたような感覚。
ウイルスに対してリュカ(の皮を被った青年)が「それでも僕にとっては大切なものなんだ!」とゲームに対する思いを叫び反撃、勝利するシーンがクライマックスとして描かれていますが、自分でもびっくりするくらい気持ちを動かされませんでした。
というか、この映画の観客にとってそんな事はわざわざ台詞で説明するまでもないことで、そこに尺を使うのならせめて「彼」にとって何故ゲームが大切だったのかをちゃんと描写するべきだったのではないか。
そうすればまだ「彼」に感情移入出来たかも知れないから。
観ている側からすれば「彼」はほんの数秒〜数分前にぽっと出てきた存在に過ぎないわけで、なぜゲームが好きなのかとか、ドラクエVのどんなところが好きなのかとか(好きな作品を体験するのに幼少期スキップなんてするだろうか?)、そういう背景も描かれていない。そんな人物に突然ファン代表のような立場で「大切なんだ」と語られても、説得力を感じられないわけで。
当然のことながら、ドラクエVという作品に触れてきた人達の中には各々のドラクエV観があり、それぞれに大切にしている事象や理由があると思う。だからその点について、自分の中のドラクエVとのズレがあっても、それは別に悪いことではない。「彼」にとって何故ドラクエが大切なのかが示されていれば、共感し、あるいは共に戦うことも出来たかも知れない--その時点でどうあがいても「ユア・ストーリー」では無いのだけど。
あのオチに拘泥し、それでも尚「ユア・ストーリー」だと言うのなら、「それでも僕/私にとってゲームは大切なもの」という主張は、ファンである観客に叫ばせればいい事だったと思う。「彼」の口からではなく。
だけど一応、脚本以外の評価点についても触れておく
CG
日本の3DCG映画として捉えた場合、好き嫌いは別としてグラフィックの出来は良かったと思う。スライムのぷるぷる感やブオーンのふもふした感じは好きです。
VRオチだからこそのキャラデザだったと考えると、鳥山先生の原作絵とかけ離れた雰囲気になっているのも致し方なしか。むしろ違っていて良かったと思うべきか。
アクション
戦闘シーンはテンポもよく、格好良く描かれていたと思います。魔法も原作プレイヤーにはおなじみのもので(逆にいえば未プレイの方には分かり辛いかも)、シリーズ中では比較的影の薄いバギ系呪文(原作V主人公にとって唯一の攻撃呪文)も上手く使われていると感じました。
音楽
映画館で観るにあたって、個人的に最も楽しみにしていたポイントでもある音楽。ドラクエ音楽っていいよね。
V以外の曲も結構使用されていた点については、直近の『ドラクエⅪ』とかスピンオフ作品とかでも既に過去曲ごちゃ混ぜパターンに出くわしているので、それほど気になりませんでした。どちらかというと、なるべく天空シリーズの曲でまとめようとしたのかな、と好意的に受け止めています。それなのにラストのウイルス撃退アイテムがロトのつるぎっぽい剣だった意味が分からないけど。
肯定的に捉えた場合
散々なことを書いておいて今更ですが、一応あのエンディングにファンを馬鹿にする意図は全くなく、本当に良いものを作ろうとした結果あそこに行き着いたのだ、という仮定でも考えてみました。
ファンを裏切るつもりはなく、むしろゲーオタに対して否定的な現実(ラスボス)を叩き斬ることでカタルシスを感じさせる作りだった、とする。
主人公の台詞についても他意はなく、純粋にファンの共感を呼び起こし、感動を誘う演出だった(一晩たって冷静に考えたら、この点については本当にそういう意図で作られていたような気がする)。
結論から言えば、この仮定の上で考えたとしても、結局のところ「観客のニーズを完璧に読み誤っている」としか言えないなと思いました。
ドラクエファンは別に、「ドラクエを楽しんでいる自分」を擁護して欲しくて劇場に足を運んだわけではないからです。極端な言い方をするならば、そういう現実の「自分」を限りなく無にして、異なる世界に没入していきたかったのです。
まぁでも、読み誤っていたのは仕方ないとしましょう。
全ての人を納得させられるような作品を作ることが無理である以上、一部の支持を犠牲にしてでも伝えたいことがあったのかも知れない。
―ー現実には心無いコトを言う人も居るよね、でもゲームが好きなことは恥ずかしいことじゃないんだ。たとえ虚構の世界でも、君にとっては大切なものなんだから。
この辺りのメッセージを伝えたいがための脚本だったとして、
今更そんなことを言うために100分間も他人のドラクエVRプレイを見せられてたの???ってことですよ。
ドラクエVが発売された1992年当時ならいざ知らず、ある程度多様性が認められるようになった令和の時代にもなって、他人の趣味を指差して嗤う方が偏狭な価値観だと笑われるでしょう。
そしてゲームという趣味は、もはや子供や、一部のオタクだけのものではありません。老若男女問わずスマホで、ゲーム機で、PCで、ゲームを楽しんでいる。
ましてや、国民的RPGと呼ばれて久しいドラゴンクエスト。長年、ガチのゲーマーというよりはライト層向け、つまりは広く一般に向けて売り出されてきたようなゲームです。
一般層に向けて「君がオタクだったとしても大丈夫だよ」と励ますのも「?」だし、ゲーオタからしても「はぁ?今更何言ってんの」という感じだし、前時代的な価値観を引きずっていながら「大丈夫大丈夫、君のことは理解しているよ」とか言って来られてもモニョるというか。
無理解なのが透けて見えるので、それなら別に理解してくれなくて良いから、上から目線ですり寄って来ないで放っておいてください、というのがオタク寄り思考の強い私の意見です。
まとめ
・VRオチにした意味が分からない
・ウケると思った→客が何を求めているのか熟考してどうぞ
・独自性を出したかった→オリジナル作品でやってください
・意見の主張をしたかった→オリジナル作品で(ry
・結論:ドラクエでもユア・ストーリーでもなかった
以上です。長文・乱文で失礼しました。
オリ博『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』感想とか
古代オリエント博物館で開催中の夏の特別展(2019)、『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』へ行ってきました。
今年の3月にナイト講座(月一ペースで金曜の夜に行われている講座)を受講して以来なので、約4ヶ月ぶりのオリ博です。
夏の特別展『ギルガメシュと古代オリエントの英雄たち』雑感
常設展のみの時は人もまばらなんですが、ギルガメシュ人気の賜物か、夏休みが始まっているせいなのか、はたまた偶々訪れたのが水曜日のレディースデーだったからなのかは分からないけど、そこそこ来館者が多かったです。メモ取ったりするのも多少周りに気を使わないと順路妨害になるかな、というくらい。
とはいえ展示物の前が混雑して全然前に進めない!みたいな感じでは無いので、適当にささっと見ていく感じだと、全部見てもそんなに時間はかからないと思います。円筒印章とかトークンとか非常に小型の展示物が多いので、視力に自信のない方は眼鏡持ってった方がいいかも知れない。
円筒印章は当時、コロコロスタンプの要領で粘土に絵や模様を付けるために使われていたものです。封泥といって、物品や文書を輸送する際、途中で不正に開けられたりしていないことを証明するための粘土の上に押されたりします。今でいうシーリングスタンプ的なもの。蝋の代わりに泥が用いられてたわけです。よくまぁこんなに小さな土台にこれだけ細かい模様を刻み込めるものだと感嘆します。
この分野において円筒やスタンプ型の印章(ハンコ)はある意味「ポピュラー」なもので、古代メソポタミア関連の書籍とか展示に触れていると目にする機会も多いのですが、今回の特別展でも前半部分のかなりのスペースを使って様々な印章が展示されていました。
個人的には、今まであまり見たことのなかった様々な種類のトークンを見る事が出来たのが面白かったです。
トークンはまだ文字の無かった時代に数量の管理をするために使用されていた(であろう)ビー玉大の小さな陶器で、楔形文字誕生のきっかけや前身になったとも言われているものです。封球(ブッラ)という中空の粘土の球の中に入れて、納品管理なんかにも使われていたそうな。
時にアクセサリー代わりにになったりもする印章や護符と比べると、実用性一辺倒な感じのトークンはどれもかなり地味ですが、素焼きのころんとした素朴な見た目が可愛いらしい。衣服や魚、壺型のトークンなんかは、色を付ければ博多のおはじきみたいになりそうだなーとか考えてました。同じ粘土製だし。
特別展タイトルに「古代オリエントの英雄たち」と入っているためか、後半にはギリシャ神話の英雄ヘラクレスや、ヘレニズム文化発展の礎となったアレクサンドロス大王にまつわる展示もありました。
ギルガメシュとエンキドゥのような「英雄の友情」に関連する話として、ギリシャの叙事詩『イリアス』内でアキレスが友の仇を討ったエピソードが説明文にちらっと書かれていましたが、アキレスの場合友人が死んだのはお前自身のせいだろー!(「仇」であるヘクトルの方が好きな人)と心の中でツッコミをいれつつ……いや、エンキドゥの方も間接的に死の原因を作ったのはギルガメシュと言えるか……なんてことを考えながら見るのが楽しかったです。
特別展内はダメですが、コレクション展(常設展)は写真撮影OK。せっかくなので大好きなコブ牛型土器を撮ってきました。いつ見ても癒されるフォルム。
基本情報
会期/時間: 2019年7月13日(土)〜9月23日(月・祝)/10:00~17:00
場所:池袋サンシャインシティ文化会館7階 古代オリエント博物館
料金:一般 800円、大高生 600円、中小生300円
公式サイト:http://aom-tokyo.com/index.html
サンシャインの中でも一番奥にあるエレベーターに乗って7階に行くんですが、少し分かり辛い場所にあるので初めて行く方はご注意を。
それから、同サンシャインシティにて8月10日(土)~8月25日(日)の間に「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-展 Road to Uruk」が開催されるらしく、その期間は混雑が予想されるため、チケット販売場所が変更されるみたいです。お盆休みに行こうと計画されている方などは公式サイトで調べてから向かうといいかも。
余談:FGO人気にビビった話
私は今までFateシリーズに触れずに来たので、サンシャイン内に貼られていた上記FGOの企画展ポスターでほぼ初めて同作品に登場するギルガメシュ像を見たんですが、すごいイケメンで上から目線ぽいのは「らしい」なぁと思いました。
でもそうかぁ、金髪なのかぁ……。
いやそんな感想はどうでも良いのですが。7月のナイト講座が特別展と連動する内容だったので先月申し込みをしていたんですが、見事に満席で受講不可になりましてね。本当はナイト講座のある日に特別展見に行こうと思ってたものの、それが叶わなかったので別日に訪れることにしました。ギル様人気を侮ってましたすみません。
もちろんFateから流れて来た人ばかりなわけないんですが、思えば3月のナイト講座(題目は「イシュタル女神とギルガメシュのものがたり」)も若い女性とか結構いたなー、と。入口が何だろうと真摯に好きになって学ぼうとするのは良いことだと思うので、つまり何が言いたいかというと、次があったら自分も出遅れないように申し込みをしようと心に決めた話です。
それと、特別展関連企画として今月リリースされたオーディオブック『朗読 ギルガメシュ叙事詩』買ったんですが、この朗読を担当している関智一氏はオリ博常設展の音声ガイドを務めているだけでなく、Fateでギルガメシュを演じていると知って、めちゃくちゃ狙ったキャスティングだなーと。
書きたいこと書き散らしてたら思いのほか長くなってしまったので、このCDについては別記事に感想書く……予定です。まだちゃんと聞けてないけど。
ドラクエビルダーズ2、最終DLCも買ったので感想とか諸々
ここ最近、暇を見つけては遊んでいたドラゴンクエストビルダーズ2。仕事が辛い日も、整地したりシドーや住民の生活ぶりを眺めたりしては癒されています。
そんなDQB2にDLC最後となる第3弾「近代建築パック」が登場したので、いい機会だと思って第1〜3弾まとめパック購入しました。ゲームの有料DLCってほぼ手を出したことないんですが、次回作への期待も込めて買っちゃった。とはいえまだDLCで追加された要素についてはあまり触ることが出来ていないので、次の休みにでもじっくり腰を据えて内装いじれたら良いなと思ってます。
ドラクエビルダーズ2思い出話
シリーズ経験はといえばドラクエ本編のナンバリング作品はXを除くI〜XIまでクリア済ですが、前作(ビルダーズ1)は未プレイ。なので比較対象がどうしてもプレイ経験のあるマイクラになってしまいますが、DQB2はマイクラと比べても優れていると感じる点が多々あった良いゲームでした。
両者の違いとしてグラフィック面とストーリー性の有無については散々各所で比較されているのを見たのであまり触れる気はないですが、それでも言いたいのは、DQB2のシナリオがとても良かったこと。サンドボックスゲーである以上、建築メインでストーリーはおまけだろうとか、正直ちょっと舐めてかかってたんですが、蓋を開けてみたらちゃんとドラクエしてるし、ちゃんとしたシナリオでした。あえてサンドボックスではなく「ブロックメイクRPG」を名乗ってるだけあるというか……ネタバレになるから詳しくは書かないけど、薬草の下りはボロ泣きしました。
そしてRPGであることのメリットとしては、登場人物それぞれにキャラクター性が存在することも挙げられると思います。端的に言えば、NPCが「生きている」ので、ソロプレイでも寂しくない。
プレイヤーの作った施設が自己満足で終わることなく、そこで暮らすキャラクター達に使ってもらえるのはとても嬉しい。食べたり、耕したり、眠ったり……そんな住人達の暮らしぶりを眺める楽しさは、全く別のゲームですがどこかシムズを彷彿とさせます。
まぁ耕したりの部分については、農業ゲーム好きとしては自分でもクワ持って耕作したかったというのはあるけど。
でも動物がみんな可愛いので良いかな。
なんか知らんが動物のグラと動きがめちゃくちゃ可愛い(2回目)。
ドラクエなのでモンスターも可愛いのですが。
そうそう、グラフィック面でいえば、綺麗なのはもちろんそれ自体素晴らしいことなのですが、個人的に一番恩恵を受けたのは、
酔わない ということでした。
そこまで3D酔いする方でもない(ただし乗り物には弱い)と思っているんですが、マイクラは油断してるとすぐ酔うので、ビルダーズで3D酔いの心配なく建築を楽しめるのは本当に助かってます。
もちろん個人差があると思うので、万民に3D酔いしないからオススメ!とは言えないのですが。
あくまで私の場合は、ある程度長時間プレイしてても酔わずに済んでます、という。
アプデ(ver.1.6.0)
ゴーレムさんの整地力すんごい。
DLCは第3弾で終了だそうですが、無料アップデートはまだ次回もあるということなので楽しみにしてます。
追記:無料アプデ後の感想はこちら▼
読んでいただけると嬉しいですが、本編クリア後推奨です。