松蔭神社――松蔭先生と維新の時代に思いを馳せる
幕末の偉人・吉田松陰を祀る、世田谷区の松蔭神社を参拝しました。
その名にたがわず松蔭先生づくしの神社で、歴史心をくすぐられます。神社巡ってる割に日本史はあまり強くないのですが、幕末~明治初頭の動乱期は割と好きです。日本という国が世界の潮流に(半強制的に)巻き込まれていく過程、そして国内に目を転じれば幕府側も攘夷側も名だたる人物揃いっていうのがオイシイ。
松蔭神社は松蔭先生の門人たちによって建てられた神社なので、木戸孝允や伊藤博文の名前が刻まれた灯篭があったり、松下村塾のレプリカがあったりと見どころが多かったです。神社の奥には松蔭先生の眠るお墓もあります。
この日はボロ市当日の日曜日だったこともあってか、多くの人が参拝に訪れていました。
ちょうど前日に放送されていた「アド街ック天国」で松蔭神社前が取り上げられていたのは……関係あるのかな?ちなみに1位は当然ながら松蔭神社でした(その他ランキングはこちら)。
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境内
参道の左手に手水舎です。
狛犬さんはいません。鳥居から真っ直ぐ参道を進んでいった先に拝殿。
参道が平坦で、拝殿前には写真の通りスロープもついているので、老若男女問わずお参りがしやすい神社だと思いました。
社殿内部(右手側)の虎の絵もすごい。『松下虎図(しょうかこず)』という絵らしいです。賽銭箱の近くに絵の説明も掲示してあったのですが、気付かない人が多いのか、あまり覗いている方がいませんでした……が、一見の価値ありです。
参道の途中には立派な神楽殿もあります。
拝殿から右手の方に進むと明治百年祭記念碑が。周囲が絵馬を吊るすスペースになっていました。
記念碑の前の椅子(?)は萩焼をイメージしているんだろうか。
石燈籠
明治41年の松蔭五十年祭の折に寄進された石燈籠です。
松下村塾の門下生であり、明治政府の要人でもある伊藤博文や山縣有朋、木戸孝允など寄進した人物の名が刻まれています。
参道の右と左にずらっと並んでいる石灯籠。
こちらは伊藤博文の灯篭↓こんな感じで寄進者の名前が刻まれています。
松下村塾(模造)
拝殿の右奥にある松下村塾のレプリカです。こちらは山口県萩市にある松蔭神社の境内に保存されている松下村塾を模した建物とのこと。
松下村塾の床の間に掲げられていたという、ありがたいお言葉。
曰く、
万巻の書を読むに非ざるよりは、寧んぞ千秋の人たるを得ん。
一己の労を軽んずるに非ざるよりは、寧んぞ兆民の安きを致すを得ん。
「多くの書物を読まずに、どうして将来語り継がれるような人になり得るだろうか。自分の労苦をいとう物にどうして人々の安らかな生活を築くことができようか。決してできない」。
松下村塾の傍にある松蔭先生像。
参道脇にも松蔭神社の御鎮座130周年記念として作られた、ブロンズ製の新しい松蔭先生像(平成25年鋳造)があるんですが、上の像と全然顔が違っています。
吉田松陰先生他烈士墓所
石灯籠の並んでいる道の先から奥へ行くと、松蔭先生のお墓があります。
鳥居の先が墓所。モミジが紅く色づいていました。
長州征伐の際、幕府によって一度墓所は破壊されてしまいましたが、明治元年に修復。この鳥居はその時に木戸孝允によって奉納されたものだそうです。よく見ると左側の柱に名前が刻まれていました。
後に幕府は謝罪の意味を込めて墓所前の石灯籠と水盤を寄進。下がその徳川家から寄進された燈籠です。
松蔭先生のお墓は鳥居から真っ直ぐ行った先、正面にあるのですが、墓碑を撮っていいものかどうか悩んだので、お墓の写真自体は載せていません。
松蔭神社の公式サイトに写真が載っていたので、確認したい方はそちらをチェックしてください。
ご由緒
松蔭先生は、幕末の思想家、教育者で私塾松下村塾を主宰し、明治維新を成し遂げた多くの若者を教育しました。しかし、安政の大獄に連座し江戸の伝馬町の獄中にて三十歳の若さで刑死されました。その四年後の文久三年(1863)に、松蔭先生の門下生であった高杉晋作、伊藤博文等によって、当時長州毛利藩藩主毛利大膳大夫の所領で大夫山と呼ばれていたこの地に改装されました。
明治十五年(1882)十一月松蔭先生門下の人々が相談し、墓畔に社を築いて先生の御霊を祀り神社が創建されました。(案内板より)
現在の黒い鳥居は東日本大震災後に建て替えられたものだそうですが、その際に解体された以前の鳥居の一部が参道脇に残されています。
松蔭神社旧鳥居柱
松蔭先生五十年祭(明治41年)の際に建造された松蔭神社旧鳥居柱の一部(社殿向かって右の柱)。旧鳥居は御影石製で台座含め総重量約20トン程であった。平成23年10月の新鳥居建造にあたり解体。その一部を保存した。「明治四十一年十月五十年祭典」の刻字は社殿向かって左の柱に会ったものを保存の際に写し刻字したもの。(境内の立て看板より引用)
基本情報
- 御祭神:吉田松陰
- 例祭日:10月27日
- 所在地:東京都世田谷区若林4-35-1
- 備 考:――
公式サイト
御朱印
松蔭神社の御朱印です。初穂料は500円。
吉田松陰の月命日である毎月27日には、御朱印に松蔭先生のシルエットが加わるそうです。
松蔭先生の栞もいただきました。木製です。
オリジナルの御朱印帳もあります。カラーは萌黄と松葉の2種類(各1500円)です。
松蔭先生のファンはぜひ。
アクセス
おまけ
神社の隣は若林公園という公園なのですが、ちょうど神社と公園の間くらいの場所に「桂太郎の墓」があります。
説明書きによると、「松蔭神社の隣に葬ってほしい」という桂太郎本人の遺言によって、この地に葬られたそうです。
こちらには載せていませんが、ちゃんと墓碑もあるのでお参りも可能です(※柵で厳重に囲われてはいる)。