マジカルミライ2019に行ってきた(2)ライブ感想:夢と現の境界で。
長いので、セトリだけ知りたい方は目次の「セットリスト」から飛んでください。
去年はマジミラ終わって何ヶ月も経ってから感想記事を上げるとかいう愚行を犯したので、今年は出来るだけ新鮮なうちに書くぞ!と思っていたのですが、いざライブに向かったら前が高身長な上に頭上でペンライト振りかぶるタイプの人+後ろがめちゃくちゃ声量のデカいグループ×2というなかなかの席だったので、ちゃんと集中出来なかった曲が多くて、結局MXの特番見て補完した部分も多々あります。
自分の身長が低いのが悪いんですが、同じSS席でも席によって見え方が全然違うんだなーということを実感できました。贅沢を言っちゃいけない、ブロック最前だった去年が良すぎたんだ……。
あ、でも、今年はCブロックの中〜後方列だったんですが、人と人の間からチラチラ見えるステージ上のミクさん達は非常に実在感がありました。もちろん視力とか角度にも寄るんだろうけど、Cブロ最前辺りが諸々の塩梅としては丁度良さそうな気がした。キャラの表情やバンメンの様子もしっかり見たい!って感じならもっと前の方が良いんだろうけど。
それとライブの感想とはちょっとズレてしまうんですが、開演前、スクリーンに諸々の注意喚起が多言語で流されていたのが良かったです。映画上演前のマナー動画みたいなやつ。年々来場者の層が多様になっているように見えるので、ルールを明示・共有していくのが最大多数の幸福に繋がると思います。
マジミラ2019ライブ(東京公演初日)のざっくりしたまとめ&感想
- 緩急すごい、新鮮なセトリ
- 日替り曲が文字通りの日替り曲(去年のように場所ごとではない)
- マジミラでは初となるR3パート追加(初手4曲)
- R3モデルはかなり改良されてた
- MC(トーク)だいぶ頑張ってる
- 巡音ルカ10周年コーナー(テーマ曲はミクとのデュエット)
- テーマ曲前にルカ&ミクでのMCあり
- アンコール一曲目が特殊演出からのwowakaさん楽曲(日替り)
- 銀テープが2色&文字入りに
セトリ全体について感じたこと
終演後。
楽しかった!またマジミラに来れて良かった!
という興奮と同時に、
演奏された楽曲を思い出しながら、不思議なセトリだったなぁと思った。
マイナスの意味合いではなくて、何というか、自分が参加したことのある過去2回のマジミラライブと比べて、何となく違う感じの印象を受けていました。
不思議に感じた理由は恐らく2つあります。
1つは新曲が多く、セトリから「おなじみの」曲が無くなっていたため。
例えば過去のマジカルミライでは必ず演奏されていたShake itとか、メルト、ODDS & ENDSなどryo(supercell)さんの手による楽曲とか、千本桜とか、ミクライブにおける定番曲みたいなものがごっそり外れて、「あの頃」の曲から「最近」の曲へ、セトリが刷新された感がありました。
もう1つは、今回のセットリストから今までになく強いメッセージ性を感じたからです。
正直なところテーマ「フューチャーサーカス」って何ぞや?と思っていたクチなんですが、ライブに参加してみて思ったのは、サーカスって夢と現実の境目にあるものなのかな、ということでした。
元々私の中では「サーカス」って、楽しいとか煌びやかなものというだけではなくて、中原中也の詩のような、ある種の郷愁とかもの悲しさみたいなものを含んでいる言葉のイメージがあります。書いてて思いましたが、今回特殊演出のあったwowakaさん曲の部分は想い偲ぶという意味で「郷愁」に近いものがあったかも知れません。
ステージへの熱狂とテントの外に迫る夕闇--サーカスという言葉はそのどちらも想起させます。テントの膜一枚隔てたところに、変わらぬ日常と、色鮮やかな非日常が並存している。
それをマジミラで表したかったかどうかは分かりませんが、所々で「メインキャラクター」や「それがあなたの幸せとしても」「僕が夢を捨てて大人になるまで」みたいな現実感の強い曲を織り込んでいたのが結構印象に残っています。
極めつけはラストに流れたテーマソング「ブレス・ユア・ブレス」。
これは「生命を持たない」(=あくまで代弁者的な存在であった)初音ミクが人々の託した想いによって「生命を得た一人の人間として」歩き始め(認知されるようになって)、「僕」とは別の存在となった。だからミライに向かってそれぞれの道を歩いていこう--というような、決別の歌です。
造りもの、あやふやで時(人)によって姿を変える夢の様な存在だったミクが現実との境に立ち、あるいはその境界線を踏み越えて一人で歩み始めている。それに対する個々人の感情は(曲の根幹ではあるけど)置いておくとして、サーカスが「夢と現の間」にあるものだとしたら、この曲がテーマソングであったこと、そしてライブという夢の終わりにこの曲を持ってきたことに対して「なるほどなー」と思ったのです。
もちろん人によって色々な解釈があるし何が正解かは分かりませんが、私はこうやって納得したという話。
セトリに関してはもうほぼ言うことないんですが、最後にもう一点だけ。キャラ配分についてです。
ちなみにミクルカ以外の出演枠は
リンレンが各ソロ新曲1ずつ+デュエット1曲(日替りあり)、
MEIKO新曲1、
KAITO新曲(ラップ・合いの手)1。
個人的には、年長組に去年と同水準の枠(各ソロ曲1+デュエット1)を期待していたので、それが少なかったのだけが残念でした。確かに両方新曲・新モジュールだったけど、兄さんに至っては合いの手とラップパートだけだったし……(曲自体はめちゃくちゃ嬉しかった)。
既存曲でいいから、on the rocksか3人バージョンのドクター・ファンクビートでも追加で入れておいてくれれば最高だったんだけどなー。高望みなのかなー……。
ところでマジミラではめーちゃん15周年に何も触れなかったということは、シンフォニーに期待していいんですよね?
(↑今年初めて、最後に5分間の写真タイムが設けられました。会場内の写真はいい記念になった)
曲ごとの感想とかもろもろ
全曲振り返るとなると流石に文字数がヤバいことになるので、印象に残ってる部分だけを取り上げてます。ほぼ自分の振り返り用。
なお、頭に※が付いてる曲は日替り枠です。
R3パート(テオ/ Omoi〜すきなことだけでいいです/ ピノキオピー〜愛の詩/ ラマーズP〜快晴/ Orangestar)
R3モデル、かなり改善されてる感ありました。遠目だと違和感無かったですが、MX特番で改めて見ると表情がやや乏しい&たまに首の動きに違和感感じることがあるかな?でもお顔の可愛さとか身体のバランスとかすごく良くなってました。
そういえば初っ端テオは雪ミクが初出だそうですが、今回経験できて良かったです。一曲目から体力の消費がヤバいけどw
深海シティアンダーグラウンド/ 田中B
深海演出から始まったリンちゃんの新曲。最初の泡音で「え、深海少女やるの⁈」と思ったバカは自分です。何気にこの曲ペンライト振るの難しかった。
メインキャラクター/ Luna
この曲のレンくんの歌い方好きです。モーションに青少年の葛藤感が出てて良かった気がする。追加された歌詞うろ覚えだけど、前向きな感じで纏められてて良かったと思います。
※からくりピエロ/ 40mP
テーマがテーマだけに、ひっそりと来てくれることを期待してた一曲。日替り枠だったらしいので観れて良かったー。
※Catch the wave/ kz(livetune)
2020年Switchから発売予定の新作divaの、テーマ曲。完全にアンテナから漏れてて初聴き状態だったのが勿体ないことしたー!聴きながら、なんかkzさんぽい曲だなとは思ってました。新曲なのに日替り枠だったらしく、余計に勿体なかったなと……。
※Baby Maniacs / 八王子P
初めてベビマ二体感したけど、これはペンライト緑違和感ある……かも。衣装だけじゃなくて照明もピンク〜紫っぽい色演出だからですかね。
キレキャリオン/ ポリスピカデリー
激しめの曲調なので、スタンドマイク曲だったのがちょっと意外だった。あんまりよく見えなかったので円盤に期待してます。
ある計画は今も密かに/ 森羅
最初の1,2,3,4はコールなのかと思ってたけど、あんまり合わせてる人いなかったな。派手さはないけど可愛かったです。
ラムネイドブルーの憧憬/ アオトケイ
めーちゃんの新曲!そして新衣装とか!最高に可愛い!爽やか!
作曲者さんの希望がそうだと聞いていたのと、曲自体のイメージからペンライト青にして振ってたんですけど、周りとても赤いし、唯一のめーちゃんソロ曲だしで葛藤がすごかった。曲終わりの手振る瞬間だけ赤に変えてめーちゃん見送りました。
Never Die / ゆよゆっぺ
巡音ルカ10thコーナーの始まりはこの曲から。
あぁ10周年なんだなぁ……ルカさんもついに10周年なんだ……。何かひたひたくる感動を噛み締めてました。
去年の鏡音10周年コーナーはガンガン飛ばしていくぜ!これからもなァ!って感じの勢いがあったけど、ルカさん10周年はしっとりと言うか、じんわりと言うか、また違った味があって良き。
これがそれぞれの良さですよね。皆違って皆いい。
※星屑ユートピア/ otetsu
曲自体はかつてヘビロテしてたから好きなんですが、モーションがどうも慣れない。見慣れてきたら違うのかな。
そしてJBF来ないの⁈と思ってたら日替り枠だったようで……ルカ10周年ならこちらも聴きたかった。
※ルカルカ☆ナイトフィーバー/ samfree
ルカルカはそりゃあ来るよねぇ!Foooo!!!
でもどりーみんチュチュも観たかった感。3人ver.は’17年のマジミラで観たけど、あれ最高に可愛いかったもんなー。
それがあなたの幸せとしても/ Heavenz
この曲聴くと辛くなるんだ……。
しかもルカさんの落ち着いた声で切々と歌われるじゃん? あぁルカさんだなぁって(何)
Jump for Joy / EasyPop
何なの、シンフォニーといい、直前のMCといい、公式はネギトロ推しなの?ミクルカ可愛い。可愛いからもはや何でもいい気分になるけど、この曲で「みんなも一緒に歌ってね」は無理です。
私の記憶が確かならば、2人で手を繋いで飛ぶモーションがあったはず。特番では曲カットされてたので、円盤でもう一度見られるの楽しみにしてます。
バンドメンバー紹介
SURVIVE(マジミラ2019公式アルバムのボーナストラック)のインストアレンジだったらしいけど、最中は全然分からなかった。結構聴いたつもりだったんだけどなー。ちょっと悔しい。
大江戸ジュリアナイト/ Mitchie M
この曲は!去年のアンケートでも希望したくらい!マジミラでやって欲しかった曲なのです!!!
まぁ皆盛り上がり過ぎててよく見えなかったんですがw ミクさんと兄さんが楽しそうにわちゃわちゃしてたから良いかな。何この兄妹仲良いな、もっとやれ、と思いながら見てました。モジュールは謎だったけど。
心残りはミクさんが太鼓叩いてたらしいシーンを見逃したこと。舞台向かって左側半分は何も見えなかったんですよね……お陰で兄さんの「たまやー」で上部スクリーンに花火が打ち上がった所が一番印象に残っている。
ヒバナ/ DECO*27
去年来なかったから今年こそは!と思って待ってました。でもこちらもあんまり見えなかったので円盤待機します。なぜか特番でも一部だけの放映だったし……。
グリーンライツ・セレナーデ/ Omoi
あぁマジミラだ!!!
流れ始めた曲がグリセレだと判った瞬間、強くそう思いました。今までもずっとマジミラに居たんですけどね。それを凄く実感出来たというか。ミクさんがこの曲歌い始めた時の会場の歓声、すごかった。
テーマソングというものについては、クリエイター側にもリスナー側にも様々な想い・考え方があるとは思いますが、マジカルミライ自体をある種の「お祭り・祝いの場」として捉えている私にとっては、「39みゅーじっく」みたいにとにかくノリ重視でライブ全体を盛り上げる曲か、「グリーンライツ・セレナーデ」みたいにただひたすらに前向きな曲が好きです。
僕が夢を捨てて大人になるまで/ 傘村トータ
グリセレの興奮状態から一転、アンコール前ラストは静かに聴かせる曲に。
MX特番で改めて観たら、ミクさんの切なげな表情のバランスが素晴らしかった。諦観、決意、色んな感情が入り混じった歌詞の表現がすごく上手い。流石セガ。
〜アンコール〜
※アンノウン・マザーグース/wowaka
去年と全く違った気持ちでこの曲を聴くことになるとはなぁ……。特殊演出の為か、それとも自分自身の気持ちのせいか、ミクさんが辛そうに顔をしかめて歌う箇所は本当に見ていて辛くて、それでも強気な表情で歌い切る姿に胸を打たれました。
ひたすら心の中であぁ……!あぁ……!!と叫びながらペンラ振ってた。言葉にならない。
Hand in Hand / kz(livetune)
意図的な流れだと思うんですが、アンマザの直後だったことで今までになく色んな感情が駆け巡ったHiHでした。様々な事情で居なくなったP達とも楽曲や「ミク」という存在を通じて繋がってるんだとか、逆にPさん達が繋いでくれた関係が沢山あるんだ、とか。
それが「遠く遠くミライまで」続いていく。あれ、HiHってこんなエモい曲だったっけ?
……まぁ私は万年ぼっちなんですけどね!それでもマジミラ来ると自分と同じものを好きな人たちが大勢いるんだって実感出来ます。
あとやっぱりHiHは後半の方がしっくり来るかな。
ブレス・ユア・ブレス/ 和田たけあき
盛り上がりましたね。
テーマソングについては散々前述したのでここでは割愛します。
セットリスト
千秋楽(東京最終日)を基準に載せています。
大阪1-2日目・東京1-2日目の各構成については公式のアフターレポート(https://magicalmirai.com/2019/special_afterreport.html)を参照した方が早いです。
~R3~
♪ テオ/Omoi
♪ すきなことだけでいいです/ピノキオピー /
♪ 愛の詩/LamazeP
♪ 快晴/Orangestar
♪ 深海シティアンダーグラウンド/田中B
♪メインキャラクター/*Luna
♪ ロミオとシンデレラ/doriko
♪ からくりピエロ/40mP
♪♪ 劣等上等/Giga
♪ キレキャリオン/ポリスピカデリー
♪ ある計画は今も密かに/森羅
♪ ラムネイドブルーの憧憬/アオトケイ
♪ Never Die/ゆよゆっぺ
♪ どりーみんチュチュ/emon(Tes.)
♪ ルカルカ★ナイトフィーバー/samfree
♪ それがあなたの幸せとしても/Heavenz
♪♪ Jump for Joy/EasyPop
〜Band member introduction〜
♪♪ 大江戸ジュリアナイト/Mitchie M
♪ぶれないアイで/Mitchie M
♪ ヒバナ/DECO*27
♪ グリーンライツ・セレナーデ/Omoi
♪ 僕が夢を捨てて大人になるまで/傘村トータ
〜アンコール〜
♪ ローリンガール/wowaka
♪ Hand in Hand/livetune
♪ ブレス・ユア・ブレス/和田たけあき
Daily Songs
♪ Satisfaction/livetune
♪ Baby Maniacs -Eight Mix-/八王子P
♪ 砂の惑星/ハチ
♪ どうぶつ占い/すこっぷ
♪♪ ロキ/みきとP
♪ 星屑ユートピア/otetsu
♪ Just Be Friends/Dixie Flatline
♪ アンハッピーリフレイン、裏表ラバーズ、アンノウン・マザーグース、
ワールズエンド・ダンスホール/wowaka
初音ミク「マジカルミライ2019」開催概要
「マジカルミライ 2018」 in OSAKA
8月10日:昼公演・開場11:00、開演12:00/夜公演・開場16:00、開演17:00
8月11日:昼公演・開場11:00、開演12:00/夜公演・開場16:00、開演17:00
会場:インテックス大阪 5号館A
料金:SS席(9000円)、S席(8000円)、A席(7000円)、マジカル観覧シート(7000円※着席観覧)、U-18席(3900円※S席。企画展入場券が付いていない)
U-18席以外のライブチケットには、大阪会場の企画展入場券が付いています。
初音ミク「マジカルミライ 2018」 in TOKYO
8月30日:夜公演・開場16:00、開演17:00
8月31日:昼公演・開場11:00、開演12:00/夜公演・開場16:00、開演17:00
9 月1 日:昼公演・開場11:00、開演12:00/夜公演・開場16:00、開演17:00
会場:幕張メッセ 国際展示場 3ホール
料金:SS席(9000円)、S席(8000円)、A席(7000円)、マジカル観覧シート(7000円※着席観覧)、U-18席(3900円※S席。企画展入場券が付いていない)
U-18席以外のライブチケットには、東京会場の企画展入場券が付いています。
▼企画展についてはこちら(企画展ライブは未参加です)。
マジカルミライ2019に行ってきた(1)企画展の感想とか
【追記】大阪:2020年8月7日(金)~9日(日)/幕張:12月18日(金)~20日(日)マジミラ開催決定!五輪で危ぶまれてたけど、来年も東京公演があるぞー!
夏の終わりのマジカルミライ。今年も楽しんで来ました!参加したのは東京公演初日の8月30日です。
同日参加したライブの感想も途中まで一緒に書いてたんですが、思いのほか長くなりそうだったので分割しました。こちらはマジカルミライ2019企画展の感想になります。
ライブの方はまた後日!
マジミラ企画展始まるヨー
今年は朝から並ぶことが出来ず、12時の企画展開場時間ちょうど位に待機列最後尾に辿り着いたので、公式物販はすっぱり諦めることにしました。
企画展会場に入れたのは13時より前だったと思うので正味1時間も並んでないんですが、幕張はその頃あいにくの雨。伸びきった入場待機列は連絡通路を越えて屋外まで……ほんの数分ですが雨に濡れる時間があったので、やっぱりイベント時は折りたたみ傘必携ですね。
そんなこんなで企画展会場内へ。
今年の入場特典はアクリルスタンド
特典のミニアクリルスタンドはめーちゃんでした。プレート自体はミュージックカフェで貰ったアクスタと同じ大きさだけど、キャラクター部分はちょっと小さい。
ちなみに後ろの2つは前年、前々年マジミラの入場特典で貰ったピンバッジです。
こちらは入場後、いきなり出迎えてくれたダヨーさん。
風船姿でも流石のインパクトであります。
……。
初めてのワークショップとミライスト
どうせ公式スルーするなら折角だからいつもと違う感じで周ってみようと思って、企業側の物販覗いたりワークショップ行ったりしました。今年の有料ワークショップはキラキラリフレクター作り(1000円)とライトアップキャンドル作り(2000円)。無料のはいつもの塗り絵うちわと、フェイスペイント。
橋本漆芸の蒔絵体験(1500円)も気になってたんですが、各回の限定数が少なくて瞬殺だったみたいですね。
キラキラリフレクター
リフレクター作りやってみたんですが、シール切って貼るだけなのにこのセンスの無さよ……。口が裂けても趣味ハンドメイドとか言えない。
全員を一画面に収めようとして物凄い窮屈な感じになっちゃったんですよね。裏面も有効に使えば良かったんですが、全員好き過ぎて誰を裏に持っていくかを決められなかったんだ……。
テーブルの向かい側で仲良く作ってた親子のリフレクターはとてもバランスの良い、可愛い作品に仕上がってたのになーw
企画展会場内は割と幅広い年齢層集まっているので、こうやって小さいお子さんと一緒に家族で楽しめるものがあるのは良いなと思います。あとちゃんと左利き用のハサミが用意されてた所。
ミライストカフェ
いつ見ても長い行列が出来ていたので諦めてたんですが、今年はサンデー注文してみました。
商品はマジミラサンデー2019(900円)とソフトクリーム(400円)の2種類。
サンデーの注文に限り、缶バッジが1つ付いてきます。缶バッジはミクorルカのランダム配布で、うちに来てくれたのはミクさんでした。カップ側面のイラスト部分は切り取って持ち帰れるシールになってます。
サンデーもソフトクリームが本体な感じなんですが、このソフトクリームがかなり美味しかったです。さすが北海道(?)。
上に乗ってるのはピンクのハートのが苺マカロン、ミクさんがプリントされてるヤツがふやきせんべい。一番底にグラノーラ的なやつが入ってました。
展示関係
その後は適当に写真撮りつつライブペイントとか展示関係を見て周り、ガチャ(カプセルトイ)コーナー行ったりして夕方のライブ時間までぶらぶら。
等身大フィギュア
今年の等身大フィギュアさん。
ライティングも良くて可愛く撮れた。2017の時は下からライト当たってたせいで写真にすると怖い感じの影が出来ちゃってたけど、今年の展示は良いですね。フィギュア自体の出来も年々向上してる感あって素晴らしい。
こちらは今年10周年の等身大ルカさん。
足元にたこルカもいます。
こんな感じで大漁旗も展示してありました。
サーカス衣装のパネル。
スマホで6人全員入れて撮ろうとするのは無理があった。
最後に今回の戦利品。ほとんどガチャ関係とクリアファイルですが。
鞄とか扇子とか気になるものは数あれど、物販はシンフォニーで本気出そうと思ってるので泣く泣く我慢したものも結構あります。
もうちょっと時間に余裕があったらマジカルミライクエストもやってみたかったかな。夜ライブあるし、時間気にしながら解くのキツいなと思ってやめちゃったんですが。
次回も謎解き企画があるようだったら参加してみたいです。
最終無料アプデで追加された台詞が色々と泣かせてくる【ドラクエビルダーズ2】
例の映画を見た後は私の中の破壊神が「もう何もかもが いけすかない」状態でしたが、待ちに待ってたDQB2の最終アップデートが来たので早速からっぽ島に舞い戻ってきました。
セーブデータやかいたく島の複数所持などのシステム面での強化に加えて、ようやく彼らに会えるということで楽しみにしてた……!
追加されたエピローグの解放条件が色々終わらせてること前提なので、ネタバレNGな方は先に本編クリアされることをオススメします。レッツ・ビルド!
▼前回のDQB2記事はこちら▼
システム面に関するアプデ内容
大きいのはやはり「セーブデータ数」と「かいたく島」の複数所持が可能になったことでしょうね。どちらも最大3つまで持てるようになりました。
その他の変更点としては、
- 髪型の追加(既存NPC用髪型が使えるように。男女共有)
- クリア後に「勇者のはた」使用時、兵士以外のNPCも召集可能に
- 植物の自生設定(ON/OFF)切替(自然物に限る)
- 天候を変更できるアイテム「○○のカード」5種類を追加
- ビルダーアイのカーソル速度を調節可能に
- 島にある部屋数の確認が可能に
- 椅子などのアイテム設置時に向きを表す矢印の表示追加
- ビルダーハートでレシピをひらめく際の演出の速さを調整
などのようですが、個人的に最も嬉しかったのはセーブ上限以外だと部屋数が確認できるようになったことですね。1つの島の中で100までと言われても、今いくつなのさ?という状態が続いてたので。ポーズ画面でビルダーハートや小さなメダルの下に、90/100みたいな感じで表示されるようになりました。
その他試してみたこと。
勇者のはたを試しに振ってみたら、開拓地中の面々が集まってきたので(魔物・動物含む)、適用範囲は各開拓地ごとのようですね。
逆に天候は開拓地ごとではなく、島全土に適用されるようです。
あおの開拓地で雪のカードを使ってみましたが、あかの開拓地に移動しても降り続けています。
シナリオ面に関するアプデ内容
もちろん「彼ら」にまつわるエピローグ追加が最大の追加内容になりますが、それは各々確認していただくとして、個人的に推したいポイントは以下の通りです。
- こんぶ
- あの子に理性が……!
- ジゴックさんと弟子と孫弟子
特にジゴックさんに関してはモンゾーラでチャコさんとのイベント会話が追加されるなど、胸にくるようなセリフが増し増し。
ストーリー中に亡くなったキャラのことも皆がちゃんと覚えていて、思い出を大切にしながら生活してるんだなってのが垣間見えるのは良いですね。マギールちゃんだけでなくリック周りのセリフも増えてたし。
ところで監獄組にはのびのび生活して欲しいなーと思ってとりあえずみどりの開拓地に来てもらいましたが、ムーンブルク勢にまつわる台詞が多いので青の方がいいのか悩んでます。……でもなんか切なさを感じるから今のままでも良いかな。
現在の開拓状況
セーブデータ数が増えたのでぼちぼち2周目始めようと思ってますが、折角なのでその前に現行データの写真を何枚かブログに残しとこうと思います。
からっぽ島のお気に入りポイントから。
みどりの開拓地にある和風エリア。山の中腹には温泉、山頂には神社があります。
同じくみどりの開拓地にある、手前が図書館で奥の建物がパン屋さん。
あおの開拓地にも王立(という設定の)図書館を作っていましたが、なんか本棚並べるのが楽しくてつい緑の方にも作ってしまいました。
かいたく島は最初の島もまだそこまで作り込めてないので、2つ目3つ目に着手出来るかも怪しいんですが……。
最初の島ではドラクエVの村再現なんかをしてました。
本当は完全にSFC版で再現したかったけど、屋根とか2Fとかが難しくて補完にDS版を使ったサンタローズ 。
パパスさん家の地下からトロッコで妖精の村に行ける作りにしたので、迷いの森は作れなかった。
そしてポワン様の城の内部と、村の横に建築中のすごろく場の構成に悩みまくり、一旦放棄してストーリー島の復興に向かった結果が下の写真です。
モンゾーラの緑好きリリパットの所。
一応元々建物があったらしい場所に教会、空き家、武器・防具屋、ふくびき所を建てた後で、原作ドラクエⅡのムーンペタにあった宿屋を加えました。
何気に復興楽しいんですよね。一から自分で考えるわけじゃないから気楽にできるし。強制されてるわけでもないから自分で満足出来た所で終わればいいし。
煮詰まった時の息抜きにちょうどいい感じです。
ところでこれ書いてる途中でドラクエ11Sの体験版ダウンロードも終わったので、ちょっくらプレイしてこようと思います。
11S製品版は来月末の発売なので、それまでにDQB2の方ももう一周出来るといいな。しばらくビルダーと勇者の両立で忙しくなりそうです。楽しみ!
それでは、皆様よきドラクエライフをお過ごしください。
アンナミラーズで「レモンメレンゲ」が復刻してたので即買いしました
レモンメレンゲパイというお菓子が好きです。
パイ生地にレモンカードを流し込み、その上にたっぷりのメレンゲを乗せて焼いた、程よい酸味のスイーツ。
好きなんですが、王道のリンゴやベリー類のパイなんかと比べると、お店での遭遇率が非常に低いんですよ……。
たまーに見つけると嬉しくなって即買いするんですが、大抵の場合季節限定とか曜日限定とかになっていて、次に行ったときにはもう買えなかったーーみたいなことが何度もありました。
で、今年の夏もまた出会えないまま終わりそうだなーと思っていたら、先日たまたま訪れたアンナミラーズで売られているのを発見しました。
アンミラの日本上陸46周年記念ということで、過去に販売していたパイのリバイバルらしいです。店員さんに聞いたら、一応8月いっぱいの販売を予定してますとのこと。もっと早くに気づけば良かった!
ちなみにアンミラのダッチアップル(アップルパイ)については過去記事に書いてます。こっちも美味しい。
アンナミラーズのレモンメレンゲ
1ピース460円。46周年にかけた値段設定になっていました。
通常販売(※季節による)されている『レモン』が1ピース600円なことを思うと、非常に良心的な価格設定です。『レモンメレンゲ』の上部がメレンゲなのに対し、『レモン』の方はクリームが盛られています。
『レモン』の方も気になりますが(食べたことない)、今回のチョイスはもちろん『レモンメレンゲ』!
上の写真を見ていただくと分かる通り、見た目はすごく地味です。崩れないように銀紙とプラ容器で保護されていましたが、そのままだと食べ辛いので外しました。
メレンゲ部分は結構かさがあるように見えますが、ふわほわ食感で柔らかな甘み。これぞレモンメレンゲパイの醍醐味って感じ。
レモンのフィリング部分にカスタードっぽさはなく、すごくプルプルしていました。この部分だけ単体で食べると奥に若干海藻のような香りが感じられたので、固める時に寒天とかアガ―的なものを使ってるのかな。酸味もしっかり感じるので、レモンの爽やかさをちゃんと味わうことができます。メレンゲと一緒に食べると甘酸っぱさのバランスがとれて丁度いい。
アメリカンなお店だけあって、今まで食べた中(自作含む)では比較的味がしっかりハッキリしたタイプのレモンメレンゲパイでした。ぜひ来年の47周年の際にも復刻して欲しいです。
……さて、8月中にもう一度買いに行けるだろうか。行きたいなー。
お店の基本情報
住 所:東京都港区高輪4-10-18 京急ショッピングセンター[ウィング高輪west]2階
T E L:03-3443-3385
営業時間:年中無休、8:00~23:00(ラストオーダー22:20)、全席禁煙
JR品川駅高輪口から出て、目の前の横断歩道を渡った先の建物です。
公式サイト
https://www.annamillersrestaurant.jp/
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観てきてしまった【ネタバレ有】
観てきました、映画『ドラゴンクエストユア・ストーリー』。
鑑賞前はブログにネタバレなしの軽いレビュー記事でも上げようかなと思ってたんですが、これは感想書くにあたってネタバレなしとか到底無理!
と言うわけでがっつりネタバレしてるので、これから観る予定の方は注意してください。まぁ正直、ドラクエ愛やゲーム愛の強い方には、映画もこの記事も見るのをオススメしませんが……。
以下、注意点です。
・核心部分のネタバレあり(観てること前提に書いてます)
・相当辛口です(ほぼラストに対して)
・原作ドラクエV好きによる完全なる主観記事(故に恐らく公平性、客観性を欠いてる)
・長文(8000文字超)
この映画を観て楽しめた人に対してまで水を差す気はないので、もしそういう方が居たらこの辺りでお帰りいただいた方がいいと思います。
一晩寝かせて感情的に書きすぎた部分バッサリ削ったけど、酷評していることに変わりはないので……。
そして無駄に長くなってしまったので、お急ぎの方は下の目次から最後のまとめまで飛んでもらえればと思います。
鳥山絵じゃないとか、原作端折り&改変しすぎとか、本職の声優少な過ぎとか、そんなことはもはや些細なことだと感じます(娘の存在消されたのは割とショックだったけど)。
巷で散々言われているように、やはり問題はラストの展開でした。
鑑賞後の感想としては、例えるなら「チケット買って某夢の国に遊びに来たのに、帰り際唐突に政見放送を流されてそのまま閉園になった感じ」。せっかく魔法にかかりに来たのに最悪な形で現実に引き戻されて興醒めしたというか。
ラストの急展開っぷりには「は?????」という気持ちしか湧いてこなかったです。
- 『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観て感じたこと
- 大切なのはリスペクト
- ラストだけで映画の出来を決めるべきではない……か?
- だけど一応、脚本以外の評価点についても触れておく
- 肯定的に捉えた場合
- まとめ
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観て感じたこと
私は映画に詳しいわけではありません。あくまで一ドラクエファンとしてこの感想を書いています。
ドラゴンクエストVという作品。
私にとって生まれて初めてプレイしたテレビゲームです。以後SFCのアダプタが壊れるまで何度も繰り返しその物語に浸り、DS、PS2で出たリメイク版も全て遊んできました。今でも「時折読み返したくなる小説」のような存在です。
幼稚園時代、この作品のおかげで字を覚え、東西南北の概念を学び、RPGとは、仲間とはどういうものかを知りました。そういう意味で、私にとってはドラクエの中でも他のナンバリング作品(X以外は既プレイ)とは違う、唯一無二の存在になっています。懐古厨と言われようが、自分が一番初めに触れたドラクエが一番好きなんだ。
その時点で、「私にとっては」どんなメディアミックスがされようと原作を超えることは不可能なわけですが、それでも新しい媒体での露出によって新規にドラクエVを好きになってくれる人が増えるのはファンとして喜ばしいことだし、何より「見もせずに批判するのはいただけない」という気持ちもあって、劇場に足を運んだわけです。
なるべくフラットな状態で観たかったので、予告動画等の公式情報以外は遮断し、世間の評判とかも見ずに出かけたんですが、過去に戻れるなら全力であの時の自分を止めたい。
原作モノは実写化でも何でも大抵の場合(観客の原作への思い入れが強ければ特に)コレジャナイ作品が出来上がってくる、それはその手の作品の宿命だと思っているので、その辺りの覚悟はしていました。
V本編のストーリーを100分かそこらでまとめきるのは初めから無理があるので、相当削られた部分があるはず。そうなると前後の整合性をとるために色々と設定が弄られてる可能性もあるけど、最悪、改変の仕方が肌に合わなくても「ドラクエ音楽が楽しめれば良いやー」位までハードルを下げて行ったんです。
実際には、そのフィールドでハードル走なんて行われていなかったのだけれど。
私は勘違いをしていました。
『ドラゴンクエストユア・ストーリー』という映画が、ゲーム「ドラゴンクエストV本編のストーリーを映画化したもの」であると。ドラクエVの世界を表現しようとして作られた映画なのだと。
映画のあらすじや予告動画の内容から、そうに違いないと思い込み、それを期待していました。
でも違った。
どんなにツギハギだらけだったとしても「ドラクエ映画」であることを望んでいたのに、その100分はほぼ丸々「他人のドラクエプレイ動画を知らずに見せられていた」状態だった。
それなら「そういう映画」であることを最初に明示してくれていれば、また違った心持ちで鑑賞出来たはずなのに。
断っておきたいのは、私は別に批判がしたくて映画を観に行ったわけではない、ということです。上映前は、観るからには楽しみたいけど、ガッカリ作品だったらそれはそれで思い出になるよね、くらいの心持ちでした。
「何であのシーンを飛ばしちゃうかなー」「そのセリフ改変はちょっと……」みたいな愚痴を言いたくなったとしても、ドラクエの世界に浸れる100分であって欲しかった。たとえ絶賛出来なくても、「それでもココは良かった」と良い所を見つけて「ドラクエ映画」として評価--したかった。本当は。
観終わった今となっては、そんな気持ちには到底なれそうもないです。
ガッカリ?
いや、
意味が分からない、というのが本音です。
ラストにあのオチを持ってくる意味が分からない。
ああいう展開にする事で誰がどんな風に得をするの?
商業作品である以上、ある程度観客のニーズを汲んで作るべきなのでは?
映画化するにあたって、予算や尺の都合、技術的な問題等々で視聴者の期待していたものとズレが生まれるのは仕方ない。それでも最低限、その期待に近づける努力はするべきだと思う。
それとも、アレが観客の望んだ形だとでも?
は?????
率直に言って、やってはいけないことをやってくれちゃったな、と思った。
自分の主義主張を展開し、独自のカラーを出したいのであれば、完全なオリジナル作品の中でやればいいと思う。
例えばエヴァのように、監督がオリジナル作品の中で自らセカイの破壊を試みたのなら、それは別に構わない。
しかし、わざわざドラゴンクエストというコンテンツを犠牲にして、それをやる必要性がどこにあるというのでしょうか。原作側の人間はよくこれでOK出せたな?
あんな奇をてらったラストにしなくても、ゲマを倒してハイちゃんちゃん、という終わり方にしておけば、作品全体の評価としては凡作〜佳作の間には入れたと思うのに。
CGは頑張ってたし、戦闘シーンは良く出来てた。
私は元々生粋のビアンカ派だけど、映画版のフローラはとても魅力的に描かれていたと思う。途中までの流れだったら、フローラルートでもそんなに違和感なかったんじゃないかな。悪名高きいたストのフローラが黒なら、こちらは真っ白で可愛かった。
それも全て虚構だけど。
製作陣は、自らのそれまでの努力を水泡に帰すようなシナリオで、虚しくならないんだろうか。
創作している人間が、創作物(フィクション)を馬鹿にして、悲しくならないんだろうか。
ゲームに限らず、映画も、漫画も、文学も、全てのフィクション作品は虚構で成り立っていて、受け手はそれを十二分に分かった上で世界観に浸っている。その虚構を楽しんでいる。ドラクエのようなファンタジー作品は特にそれが顕著で、現実とは違うその世界を、違うと分かっていて尚愛している人が沢山いるわけですよね。
それなのに作り手側の人間がなぜあえてそれを否定し、冷水を浴びせる必要があるのか、私にはそれが分かりませんでした。
例えばですが、
某夢の国で○ッキーに会えて喜んでる人に対して「いい歳して恥ずかしくないの?ガキかよ」とか言っちゃう人は「大人」ですか?
私の目には、空気の読めない未成熟な人間に映ります。別に相手をガキだと思うのならそれでもいい。でもそれをわざわざ本人の目の前で喧伝する必要がありますか?
他人の趣味嗜好を貶めてマウントを取るなんて、いい大人がすべきことではない。ましてや、夢を提供する側の人間が、他人の夢を否定するなんていうのは全くもってナンセンスだと思います。
大切なのはリスペクト
この映画には、根本的に他者への敬意が欠如していると感じられる点が散見されました。
あらゆる創作物は、元になった/着想を得たものがある場合、その原典に対する十分な理解と敬意を持って形作られるべきだと思います。たとえどんなに優れた技術が用いられたものだとしても、元ネタに対するリスペクトが感じられないのであれば、私は受け入れられない。
逆にクオリティが低い作品であっても、そこに愛が詰まっていると分かるものなら、寄り添って応援したいと思うでしょう。
ユア・ストーリーがどうかといえば、少なくとも私は原作へのリスペクトを感じられませんでした。それはストーリーの端折り方とか改変の仕方とか、解釈の違いで片付けられる問題のせいではなくて、やはり「ゲームの世界は嘘の世界」と切って捨てたその一点によってです。
解釈の違いどころか、解釈しようともしなかったんだな。
端から「ドラクエVの映画」を作る気なんて無かったんだな。
監督や脚本家にとって、あの世界は、キャラクター達は、敬愛すべき原点ではなく、単なる素材に過ぎなかったんだな。
そう感じました。
観客であるファンに対してもそうです。
喜ばそうと思うなら、あんな騙し討ちみたいな形でネタばらしする必要性がない。サプライズプレゼントというのは相手を喜ばすためにするものであって、驚かせるためにすることではない。
ただ驚かせるためだけに用意されたギミックを押し付けられても、こちらとしては呆然とする他ないんだ。
譲れない拘りとしてVRネタを使いたいのなら、ラストのどんでん返しではなく、端からそれを明示しておけば「そういう話」として別の視点から楽しめたかも知れないと思います。
あらすじでも予告動画でも「ドラクエVのストーリーを映画化」したと見せかけて、それを期待して行った観客を集めて、いざ最終盤で全部VRの世界でしたーなんて興を削ぐ仕打ち、あんまりじゃないですか。
これは大衆向けの娯楽映画なわけです。最後にカタルシスを得るためのミスリードなら良い。でも今回ユア・ストーリーがやったのはそうではなく、裏切り行為と受け取られても仕方ないことだと思います。
ちゃぶ台を返したいから返した、じゃ納得なんてできるわけがない。
記録映画ではなく、虚飾に満ちた娯楽作品を制作・提供している立場の人が、その娯楽を楽しみに来ている観客を前にして「作りモンにマジになってないで、いい加減大人になれ」なんて、盛大なブーメランを投げる意味がある?わざわざ、あの最終局面で⁇
やっぱり意味が分からないよ。
そして、小説版主人公の名前無断使用問題。
映画製作者サイドにもっと他の創作者に対する敬意があれば、不要な争いを生まずに済んだのではと思えてなりません。
ラストだけで映画の出来を決めるべきではない……か?
ラストのやらかしだけで全体の評価を決めるな、という意見も分かるんですよ。それが単に物語の「結末だけ」切り離して見れるような要素なら。どんなにご都合主義的展開でも、整合性が取れていなくても、伏線が回収し切れなくても、例えそれが目を覆いたくなるようなバッドエンドであったとしても。
物語の結末「それだけ」が気に入らないで済む話だったなら、「ラストだけで全体を語るな」という言い分は、なるほどごもっともだと思います。
でもね、違うんだ。
あのラストは、それまでの1時間何十分かで語られた物語全てを飲み込み、その全てを無に帰してしまったんです。
そこに至るまでの過程について評価したくても、あのオチが付いてしまったら、過程が全て無かったことになってしまう。
美しい景色も、魅力的なキャラクターも、手に汗握るアクションシーンも、全て「虚構である」ということを示すためだけに用意された素材だったのだから。
整合性という観点から言えば、VRオチは作中で感じた様々な違和感について半ば無理やりにでも辻褄を合わせることのできる、完璧な道具だったでしょう。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたにしてはやけに軽く感じる主人公の性格・言動も、
息子への接し方(親として心配しているような素ぶりがない)も、
唐突に繰り返された「クエスト」という用語も、
「じこあんじ」も、
冒頭のダイジェストも、
故意に用意されたor用意されていたわけではない大小様々な違和感を、全て消化してしまえる「だってVRゲームの中だから」というオチ。
曲がりなりにも感情移入してドラクエVの世界を冒険している気になっていたら、唐突に「他人のプレイ動画を見せられていた」ことが明かされるオチ。
Your story だと思ってたのにhis storyだったというオチ。
……そして更に最悪なのは、ネタばらしの後にとって付けたようなハッピーエンド紛いのエンディングをくっ付けられたことだった。
あのエンディングで救われたとか、納得出来たという人に対しては、純粋に羨ましく思います。そういう寛大な心で映画を楽しめたら、どんなにか良かっただろう。
残念ながら私はその境地に達せなかったので、ミルドラース(ウイルス)に向かって叫ぶリュカ(を操作してる人)の台詞に辟易し、アンチウイルスの設定には一周回って笑うことしか出来ないまま、スクリーン上では「彼の戦い」が幕を閉じていました。
そして先程までと寸分違わぬ優しい眼差しで微笑みかけてくれる妻と息子。こちらはもう、先刻と同じように彼らを見ることは出来ないのに。
何これ拷問かよ。
Continue your adventure じゃないよ。どうしてくれるんだ、この気持ちを。
個人的には、インパクトのある「大人になれよ」という台詞よりも、その後の無理やりな展開の方が見ていてイライラしました。
散々煽っておいて、「でもお前らどうせこういうのが好きなんだろ?ほら、ハッピーエンド(笑)にしてやるよ、感動しろよ」と言って再び偽りの夢の中に放り込まれ、逃げられたような感覚。
ウイルスに対してリュカ(の皮を被った青年)が「それでも僕にとっては大切なものなんだ!」とゲームに対する思いを叫び反撃、勝利するシーンがクライマックスとして描かれていますが、自分でもびっくりするくらい気持ちを動かされませんでした。
というか、この映画の観客にとってそんな事はわざわざ台詞で説明するまでもないことで、そこに尺を使うのならせめて「彼」にとって何故ゲームが大切だったのかをちゃんと描写するべきだったのではないか。
そうすればまだ「彼」に感情移入出来たかも知れないから。
観ている側からすれば「彼」はほんの数秒〜数分前にぽっと出てきた存在に過ぎないわけで、なぜゲームが好きなのかとか、ドラクエVのどんなところが好きなのかとか(好きな作品を体験するのに幼少期スキップなんてするだろうか?)、そういう背景も描かれていない。そんな人物に突然ファン代表のような立場で「大切なんだ」と語られても、説得力を感じられないわけで。
当然のことながら、ドラクエVという作品に触れてきた人達の中には各々のドラクエV観があり、それぞれに大切にしている事象や理由があると思う。だからその点について、自分の中のドラクエVとのズレがあっても、それは別に悪いことではない。「彼」にとって何故ドラクエが大切なのかが示されていれば、共感し、あるいは共に戦うことも出来たかも知れない--その時点でどうあがいても「ユア・ストーリー」では無いのだけど。
あのオチに拘泥し、それでも尚「ユア・ストーリー」だと言うのなら、「それでも僕/私にとってゲームは大切なもの」という主張は、ファンである観客に叫ばせればいい事だったと思う。「彼」の口からではなく。
だけど一応、脚本以外の評価点についても触れておく
CG
日本の3DCG映画として捉えた場合、好き嫌いは別としてグラフィックの出来は良かったと思う。スライムのぷるぷる感やブオーンのふもふした感じは好きです。
VRオチだからこそのキャラデザだったと考えると、鳥山先生の原作絵とかけ離れた雰囲気になっているのも致し方なしか。むしろ違っていて良かったと思うべきか。
アクション
戦闘シーンはテンポもよく、格好良く描かれていたと思います。魔法も原作プレイヤーにはおなじみのもので(逆にいえば未プレイの方には分かり辛いかも)、シリーズ中では比較的影の薄いバギ系呪文(原作V主人公にとって唯一の攻撃呪文)も上手く使われていると感じました。
音楽
映画館で観るにあたって、個人的に最も楽しみにしていたポイントでもある音楽。ドラクエ音楽っていいよね。
V以外の曲も結構使用されていた点については、直近の『ドラクエⅪ』とかスピンオフ作品とかでも既に過去曲ごちゃ混ぜパターンに出くわしているので、それほど気になりませんでした。どちらかというと、なるべく天空シリーズの曲でまとめようとしたのかな、と好意的に受け止めています。それなのにラストのウイルス撃退アイテムがロトのつるぎっぽい剣だった意味が分からないけど。
肯定的に捉えた場合
散々なことを書いておいて今更ですが、一応あのエンディングにファンを馬鹿にする意図は全くなく、本当に良いものを作ろうとした結果あそこに行き着いたのだ、という仮定でも考えてみました。
ファンを裏切るつもりはなく、むしろゲーオタに対して否定的な現実(ラスボス)を叩き斬ることでカタルシスを感じさせる作りだった、とする。
主人公の台詞についても他意はなく、純粋にファンの共感を呼び起こし、感動を誘う演出だった(一晩たって冷静に考えたら、この点については本当にそういう意図で作られていたような気がする)。
結論から言えば、この仮定の上で考えたとしても、結局のところ「観客のニーズを完璧に読み誤っている」としか言えないなと思いました。
ドラクエファンは別に、「ドラクエを楽しんでいる自分」を擁護して欲しくて劇場に足を運んだわけではないからです。極端な言い方をするならば、そういう現実の「自分」を限りなく無にして、異なる世界に没入していきたかったのです。
まぁでも、読み誤っていたのは仕方ないとしましょう。
全ての人を納得させられるような作品を作ることが無理である以上、一部の支持を犠牲にしてでも伝えたいことがあったのかも知れない。
―ー現実には心無いコトを言う人も居るよね、でもゲームが好きなことは恥ずかしいことじゃないんだ。たとえ虚構の世界でも、君にとっては大切なものなんだから。
この辺りのメッセージを伝えたいがための脚本だったとして、
今更そんなことを言うために100分間も他人のドラクエVRプレイを見せられてたの???ってことですよ。
ドラクエVが発売された1992年当時ならいざ知らず、ある程度多様性が認められるようになった令和の時代にもなって、他人の趣味を指差して嗤う方が偏狭な価値観だと笑われるでしょう。
そしてゲームという趣味は、もはや子供や、一部のオタクだけのものではありません。老若男女問わずスマホで、ゲーム機で、PCで、ゲームを楽しんでいる。
ましてや、国民的RPGと呼ばれて久しいドラゴンクエスト。長年、ガチのゲーマーというよりはライト層向け、つまりは広く一般に向けて売り出されてきたようなゲームです。
一般層に向けて「君がオタクだったとしても大丈夫だよ」と励ますのも「?」だし、ゲーオタからしても「はぁ?今更何言ってんの」という感じだし、前時代的な価値観を引きずっていながら「大丈夫大丈夫、君のことは理解しているよ」とか言って来られてもモニョるというか。
無理解なのが透けて見えるので、それなら別に理解してくれなくて良いから、上から目線ですり寄って来ないで放っておいてください、というのがオタク寄り思考の強い私の意見です。
まとめ
・VRオチにした意味が分からない
・ウケると思った→客が何を求めているのか熟考してどうぞ
・独自性を出したかった→オリジナル作品でやってください
・意見の主張をしたかった→オリジナル作品で(ry
・結論:ドラクエでもユア・ストーリーでもなかった
以上です。長文・乱文で失礼しました。